▲渡辺明-△稲葉 渡辺棋王が攻撃に出る 20時15分、ここまで落ち着いた指しまわしを見せていた渡辺棋王が▲6五桂と跳ね、いよいよ後手陣攻略へ討って出ました。実戦は以下△6四歩▲7三桂成△同桂▲8一飛△3三角と進んでいます。8一の飛は△7一歩で止められる形ですが、それに対しては▲9一飛成と香を取っておいて先手十分だったようです。
▲永瀬-△羽生 不可解な手順 20時頃の局面。後手はここまで変化することができたので、羽生名人が選んだ手順といえます。 しかし図では後手は駒損確定となり、「どういう意味なのか、ちょっと分からないです」とはこの手順を知った、本局の観戦記担当である高野秀行六段の第一声。 羽生名人は6分の考慮で△4五同銀▲同銀△6四歩としました。予定通りという時間の使い方です。中継室に来ていた勝又清和六段は「すごい組み立てだ」と驚き、感心していました。ただし、果たして他の手順で悪かったのかという疑問は残ります。
対局場周辺(5) (都市センターホテルを出て真っ直ぐ行くと、清水谷公園。都心中の都心ながら緑の多い場所でもある) (贈右大臣大久保公哀悼碑。明治維新で活躍した大久保利通が暗殺で命を落とした場所) (19時頃の都市センターホテル外観。東京の日の入りは18時44分。夕食休憩中に空は足早に暗くなった) (19時30分頃の夜景。すっかり暗くなった)
19時過ぎの中継室 19時になり、対局が再開されました。 中継室では上村亘四段が▲渡辺明-△稲葉戦を検討しています。形勢は先手よしですが、展開によっては難しい順もあるようです。 (「稲葉さん、何とかなりませんか」と検討を始めた上村四段)
▲渡辺明-△稲葉 夕食休憩 18時、渡辺棋王が▲4六馬とした局面で稲葉七段が53分使って夕食休憩に入りました。夕食休憩までの消費時間は▲渡辺2時間51分、△稲葉3時間41分。対局は19時に再開されます。 (手番の稲葉七段の側から見た盤面) (後手は飛車と金銀の渋滞がつらい) (床の間に飾られた額)
▲永瀬-△羽生 夕食休憩 18時0分、この局面で永瀬六段が30分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬3時間30分、△羽生3時間2分。対局は19時に再開されます。 (羽生名人の王将) (永瀬六段の玉将) (対局立会人の飯野健二七段が対局場へ) (右は上村亘四段)
対局場周辺(4) (皇居前の半蔵門。大手門の裏に位置している) (傍の公園の木にはセミが止まっていた。ジィジィと鳴き続けるセミにまぎれて、ミーンミーンという声も) (徒歩5分ほどのところには国立劇場、国立演芸場等も) (国立劇場)
▲渡辺明-△稲葉 昼食休憩後の進行 ▲渡辺明-△稲葉戦は昼食休憩の局面から△2四飛▲3三角成△同銀▲2四飛△同銀▲2二歩△同金▲2三歩△3二金▲2二角△1二飛(上図)と派手な展開に進みました。 自陣に飛車を投入した後手はその後、▲5五角成△2三金▲7五歩△3三角と角も自陣へ。下図はそこで先手が▲5六馬と金取りで馬をかわしたところです(16時20分頃の局面)。 先手は馬を作って飛車も手持ち。対する後手は自陣に生の飛車と角が残り苦しそうですが、1歩得と先手の歩切れは後手にとってプラスの要素です。 (朝の渡辺棋王。自然体な様子だった)