2014年11月 5日 (水)

森下九段・飯島七段が戦型を予想する

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森下九段

第2局は封じ手のあたりから森内竜王が精彩を欠いた感じがしました。われわれの世代からすると、森内神話といいますか、強さへの信頼があるのですが、糸谷七段は臆することがありません。大事なところでも時間をあまり使わずに指されることが多いので調子がかみ合わないのかなと思います。(互いに受け将棋といわれますがの質問に)森内竜王は精密、正確無比なタイプと思いますが、糸谷さんはやや大らかなところがあって、そこで森内竜王は力を発揮できていない、ペースをつかめていないようです。

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糸谷七段の矢倉や相掛かりはあまり見ないので、戦型はやはり角換わりを目指すのではないでしょうか。自分でペースを乱すことはないでしょう。森内竜王は時折一手 損角換わりを指しますが、受けて立つか変化するか。ペースを戻せば、強さはよくわかっていますが、この局を落とすとさすがに厳しいですから勝つ確率の高い戦型で対応されることでしょう。
弟弟子の深浦との挑戦者決定戦(2009年第22期)では、第1局を落とした後に第2局でまさかの四間飛車を用いました。今回も2連敗で変化されるかもしれません」

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飯島七段

「戦型は森内竜王の振り飛車を予想します。何度か立会人をやらせていただき、森内竜王は意地を張るタイプではないのではないと思います。いろいろ見ていると後手のときは、連続で同じ形をやらないのではないか。第2局は森内竜王が糸谷七段の一手損角換わりと初めて対戦しました。森内竜王はじっくり組みたい棋風ですが、そうさせてくれないことが多い。普通は先手が有利とされていますけど、そういう雰囲気を感じません。先手番の方が困る意味さえあるように思います。
本局は森内竜王にとって糸谷七段の作戦を受けて立つかどうか、決断のしどころです。動くなら明日だと思います」

(インタビュー・書き起こしは銀杏)