2014年10月17日 (金)

細かい駆け引き

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比較的速いペースで局面が動いている。角換わりの序盤は「最善形で仕掛けたい先手」と「最善形で迎え撃ちたい後手」という2つの思惑が盤上で交錯する。そのために手待ちをすることも多く、一直線に仕掛ける展開にはなりにくい。わずかな得を求めて、細かい駆け引きが行われるのがこの戦型の常だ。控室では佐藤康九段がパソコンをにらみ、前例と照らし合わせながら検討している。図から糸谷七段は▲2八飛! 一度4筋に狙いを定めた飛車が2筋に戻った。実戦では指されたことがないが、以下△3三銀▲2五歩と進めば前例のある形に合流する。先手が飛車先を伸ばす形はやや古い形だが、最近は再評価が進み増えている指し方だ。本局もそうした形になるのか、それともまったく新しい展開になるのか。森内竜王は盤面を見つめて熟考している。

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