2014年10月の記事

2014年10月18日 (土)

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――初めての海外対局、二日制でしたがいかがでしたか。作戦的にはうまくいっていたのでしょうか。
糸谷 いやあ……。2手(多く)指しているので何もなければと思ったんですが、本譜でとがめられてしまうかもしれないので、調べてみないとわからないですね。
――中盤は思い通りという感じでしょうか。
糸谷 ▲9八玉と取らなくてはならないのではおかしくしたのかもしれないと思ったのですが、どうなのでしょうか。
――第2局以降の意気込みをお願いします。
糸谷 長い持ち時間に適応できていないので、適応しつつ楽しく将棋を指していければと思います。

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――森内竜王、一局を振り返っていかがでしたか。
森内 角換わりの後手番になったので、どこかで仕掛けられる手を警戒していたんですが、穴熊を見せられてこちらからいかざるを得なくなってしまったので。成算がある将棋ではなかったですね。
――難しい将棋だったように思いましたが。
森内 そうですね。端攻めに期待したんですが、思いのほか効果が上がらなかったのが誤算でした。

20141017_133森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第1局は18時19分、133手で糸谷七段の勝ちとなりました。消費時間は▲糸谷7時間28分、△森内7時間59分。挑戦者の先勝でスタート。第2局は10月30・31日に大阪市「帝国ホテル 大阪」で行われます。

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17時55分、控室の見解は「先手よし」で一致している。森内竜王が粘り、糸谷七段がどう決めに行くか、という状況だ。控室では図で▲6五銀や▲4三歩が厳しいと言われている。

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17時過ぎ、局面は終盤戦を迎えて激しさを増している。大盤解説会でも控室でも、詰む詰まないに関係する難しい変化が出てくることが多くなった。

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(17時10分ごろ、佐藤康九段がニコニコ生放送に電話出演)

ハレクラニを訪れていた、日本将棋連盟非常勤理事の渥美雅之さんに話を聞いた。渥美さんは株式会社杏林堂薬局の取締役会長で日本将棋連盟の外部理事。初の海外対局となった、1976年の第1期棋王戦決勝のハワイ対局でも現地で観戦していた。
「前にハワイで行われたのは棋王戦の内藤-大内戦でしたね。カハラホテルという、ここ(ハレクラニ)と同じくらい高い格式のホテルで対局しました。海外には何度も行っていましたが、将棋の対局があったというのは新鮮でした。昔は『近代将棋』の企画で、海外の強い人と対局するということもあったのですが。
私は板谷進九段に誘われて現地に行きました。初の海外対局ということで、和服を見た現地の方は驚いていたように思います。カハラモール・ショッピングセンターで大盤解説会をして、芹沢博文九段が解説をしていたのですが、日本人の方も多く来られていました。通りかかった人が珍しそうにしていましたね。
前回と今回と、両方の対局を見られてとてもうれしく思います。日本独特の文化が広がることは非常にうれしい。文化の交流は平和につながりますから。ありがたいことです」

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香川女流王将と井道女流初段、ハワイで女性の正装とされているムームーを着た二人。海辺でちょっとした撮影会を行った。直前まで雲が出ていたが、撮影を始める頃には晴れ間がのぞいた。

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ホテルの方にハレクラニの客室を案内してもらった。両対局者が泊まっている客室と同じタイプの客室で、写真のツインベッドは両対局者の部屋ではキングサイズのベッドひとつになっているとのこと。ベランダからは海が一望でき、開放感が素晴らしい。

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20141017_89図は89手目▲5八金まで。森内竜王は△4七馬と銀の方を取りましたが、検討陣は△5八同馬▲同銀△7六歩▲同銀△6四飛▲4三歩成△9九角▲9八玉△9七香成▲同桂△7七香(参考図)という順を調べていました。後手としては有力な変化だったようです。△7七香に▲同金や▲6八金は△8八金まで。5八金を取ったのが生きています。
本局は検討とは別の展開に進むことが多く、分岐点が続く将棋のようです。



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