――初めての海外対局、二日制でしたがいかがでしたか。作戦的にはうまくいっていたのでしょうか。
糸谷 いやあ……。2手(多く)指しているので何もなければと思ったんですが、本譜でとがめられてしまうかもしれないので、調べてみないとわからないですね。
――中盤は思い通りという感じでしょうか。
糸谷 ▲9八玉と取らなくてはならないのではおかしくしたのかもしれないと思ったのですが、どうなのでしょうか。
――第2局以降の意気込みをお願いします。
糸谷 長い持ち時間に適応できていないので、適応しつつ楽しく将棋を指していければと思います。
――森内竜王、一局を振り返っていかがでしたか。
森内 角換わりの後手番になったので、どこかで仕掛けられる手を警戒していたんですが、穴熊を見せられてこちらからいかざるを得なくなってしまったので。成算がある将棋ではなかったですね。
――難しい将棋だったように思いましたが。
森内 そうですね。端攻めに期待したんですが、思いのほか効果が上がらなかったのが誤算でした。



森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第1局は18時19分、133手で糸谷七段の勝ちとなりました。消費時間は▲糸谷7時間28分、△森内7時間59分。挑戦者の先勝でスタート。第2局は10月30・31日に大阪市「帝国ホテル 大阪」で行われます。




















図は89手目▲5八金まで。森内竜王は△4七馬と銀の方を取りましたが、検討陣は△5八同馬▲同銀△7六歩▲同銀△6四飛▲4三歩成△9九角▲9八玉△9七香成▲同桂△7七香(参考図)という順を調べていました。後手としては有力な変化だったようです。△7七香に▲同金や▲6八金は△8八金まで。5八金を取ったのが生きています。






