渡辺竜王は106手目に△2七歩を放ちました。これが大きな利かし。▲同飛と取らせることで2七をふさぎ、先手玉を詰ましやすくしています。
つまり、▲2七同飛△7八金▲2四歩△7九金▲2三歩成△3一玉の局面で先手玉に△6七角▲同玉△6六飛▲5八玉△6九飛成▲5七玉△5六歩▲同玉△6六竜▲4五玉△3三桂打(参考図)と追って詰む筋があります。
参考図からは▲3三同と△同桂▲3四玉△6四竜▲3五玉△4四竜▲3六玉△3五銀まで。ここで先手玉が2七へ逃げられません。値千金の利かしなのが分かります。
実戦は▲2七同飛△7八金▲2四歩△7九金▲2三歩成△3一玉と検討通りに進んだとき、森内名人が▲6五桂と指しました。▲6五桂は参考図の△3三桂打に▲5四玉から6三へ逃げ出そうとした手です。
ただし、局面は後手勝ち筋になったとみられています。
2013年11月 8日 (金)