2013年8月15日 (木)

駒組み続く

Kifu_35

後手のひねり飛車模様に対し、先手は角道を開けない構えを敷いている。玉の安定度でいえば美濃囲いの後手がずいぶんまさるようだが、飛車の活用には苦心しそうだ。持ち時間の長い竜王戦らしくじっとした駒組みが続いているが、局面は激しい変化を内包している。
たとえば左図で先手の手番だと、▲1五歩と突く手がある。△同歩▲同香△5七角成▲同角△1五香(A図)と二枚換えをされて失敗に思えるが、よく見れば後手の飛車が取られてしまう。

Z02_2

これは後手失敗だ。

また、上図の▲6八角に代えて▲6六銀と上がる手も検討されていて、以下△7九角成▲同玉△4二銀(B図)が予想されていた。

Z03_3

B図で後手は△4四歩~△4三銀と組み替えるのが自然だが、仮に後手の手番で△4四歩と突くと、▲9六歩の「地獄突き」が生じる。△同歩なら▲9二歩△同香▲6五角が金香両取りになる仕組み。相掛かりは序盤から歩を手持ちにするため、盤面を広く使った技がかかりやすい。角交換になった際は、駒組みに神経を使うことになる。