図は98手目△6五歩の局面。控え室で検討されている進行通りです。丸山九段は直前に▲9七玉と早逃げして、4四にいる角の利きを避けましたが、それでも後手の攻めが厳しい。対して、後手の囲いは厚いため、先手が攻めるのは容易ではありません。
「△2三同金(78手目)からの金冠は悪形とされているのですが、いまこうしてみると堅い。常識を覆す指し方です。これが渡辺さんの研究だったのでしょう。また、2五銀が頑張っているので、何かのときに△1三玉と逃げたときに端が厚いです。先手は押さえられていた駒がさばけたのですが」と鈴木八段。
(モニターで見る対局室)