▲4六金も少考での着手。稲葉の指し手も思い切りがいい。本局は読み少しでもほころびがあると一気に崩れてしまいそうな将棋。手の広い、指し手の選択が難しそうな局面で両者は決断よく指し進めていく。
ここで後手は(1)△3三桂と跳ねたいところ。棋士室では△3三桂▲7九玉で後手がどう指すか考えられていたが、はっきりとはわからなかった。一例として△3九角は、▲3八飛(▲5八飛は△4五銀)△5七角成(王手金取り)▲6八角△同馬▲同銀と激しいやり取りの後、3四銀取りが残る。この変化は先手が十分のようだ。
(2)△3二飛も考えられるが、「これはなんだか危なそうですね」と菅井竜也五段。△3五銀や△4五銀から3筋を突破する狙いだが、△3二飛には▲3六歩と打たれてうまくいかないようだ。(51手目コメントより抜粋)
(潤)