2012年7月の記事

2012年7月 6日 (金)

Ryuou201207060101_37 図は37手目▲7四歩まで。藤井九段は昼食休憩を挟んで1時間23分の長考で歩を打ちました。部分的には定跡通りの進行ですが、先手陣の3六歩型が変わっています。将棋は似て非なるもので、「あの形ならうまくいくけれどこの形だからうまくいかない」というケースは少なくありません。互いに少しでも自分が得になる形を模索しているのでしょう。
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(朝の豊島七段。まっすぐに盤上を見据えている)

14時過ぎから将棋会館の2階では棋士向けに『詰将棋クラブ』という講座が開かれていました。
幹事は伊藤果七段。
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(初めての講座。参加者は16人)
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(受講者の中には飯島栄治七段(右)の姿も。飯島七段は1組3位として決勝トーナメント入り。12日に佐藤天彦七段(2組優勝)と対戦する)
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(伊藤果七段。詰将棋創作の名手として知られる)

将棋会館のエレベーターに日本将棋連盟モバイルのポスターが張られています。
本局はパソコンだけでなく、携帯電話でのモバイル中継でもご覧いただけます。
http://www.shogi.or.jp/mobile/index.html

また、「竜王戦・将棋道場」からも中継をご覧いただけます。
http://www.yomiuri.co.jp/keitai/ryuou.htm

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(人生の縮図がそこにある!)

Ryuou201207060101_36 図の36手目△8八角の局面で昼食休憩に入りました。消費時間はともに54分。すでに終盤戦に近い中盤戦です。対局は13時に再開されます。
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(豊島七段が出前注文した肉じゃが定食)

Ryuou201207060101_17 振り駒で先手に決まった藤井九段は藤井システムを採用しました。竜王戦の藤井システムというと、藤井九段が第11期竜王戦で挑戦者になり、当時の谷川浩司竜王を4勝0敗で破ったのが鮮烈でした。
本局は1筋の端歩を突かないで中央に手をかけたのが工夫。後手は穴熊にするか急戦にするかの岐路です。
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(藤井システムを採用した藤井九段)

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(9時45分ごろ、豊島将之七段が対局室入りした)
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(藤井九段を待つ)
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(藤井猛九段は9時55分ごろ入室。「ん?あれっ、部屋が暗くない?」と蛍光灯がついていないことに気付いてスイッチを入れた。観戦記者の小暮克洋さんが「まったく気付かなかった」とおどけて言うと、豊島七段は苦笑していた)
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(王将を据える藤井九段)

渡辺明竜王への挑戦者を決める第25期竜王戦(読売新聞主催)決勝トーナメントの藤井猛九段(2組2位)-豊島将之七段(3組優勝)戦は、7月6日10時から東京・将棋会館で行われます。本局の勝者は山崎隆之七段(1組2位)と対戦します。
過去の対戦成績は1勝1敗の五分。戦型はいずれも角交換四間飛車。先手側の棋士が勝っています。
本局の中継は銀杏が担当します。本日はよろしくお願いいたします。
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(対局者の藤井猛九段と豊島将之七段)