2011年12月 1日 (木)

前夜祭(4)

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両対局者が退席したあと第5局のみどころが語られた。

佐藤和俊五段「私は明日が(テレビ解説の)デビュー戦みたいなものなので緊張しているのですけれども、鈴木八段の助けを借りつつ無事に終わればいいなと考えています。ここまでの対局を見ますと、渡辺竜王のほうが非常に自信を持って指しているなというイメージがあります。丸山九段が工夫をして趣向を凝らしているのですが、渡辺竜王は慌てず動じず対応した結果が3勝1敗のスコアに繋がっているのかなと思います。ただプロの将棋ですので、ちょっとしたことで流れが変わるかもしれません」

先崎学八段「渡辺さんは日頃も強いですけど、竜王戦になると増して強くなりますね。今期は全体的に内容も良く、七番勝負で負けた将棋も勝てそうな感じでした。非常に細かいところまでよく読んでいる感じがして、強いなぁというふうに感じます。そういった渡辺さんに、丸山さんがどう向かっていくか。これは見てのお楽しみということになるんでしょう」

読売新聞紙上で観戦記を担当する藤田麻衣子女流「渡辺竜王はいつも通り強いのですが、今年は二冠になって更にパワーアップしているんじゃないかと。そのあたりを楽しみにしたいと思います。夏に本戦トーナメントの丸山九段の対局を観戦しました。盤側で見ていると、仕草や間の取り方、時間の使い方などが独特で、見ていて飽きることがありませんでした。そういったなかで丸山九段の強さの秘密を少しでも観察して探って、少しでも観戦記に生かせたらと思っています」

中村修九段「渡辺-丸山戦ということで調べたのですが、14局指して10局が角換わりの将棋でした。今回の七番将棋はここまで4局とも角換わりので、明日もおそらく角換わりになると思います。ということは最初からお互いに駒台に角を……それでもいいんですけど、そういうわけにはいかないので初手から普通にやります。角換わりというのは、どちらかが角を打った瞬間に局面が急激に動くんですね。両者の対戦では、角換わりの10局のなかで先に角を打ったほうが負け越しているんです。慌てて角を打ってはいけないということですね。と言っても4勝6敗ですが。そういった見方も含めて、楽しみにしていただければと思います」

鈴木大介八段「皆さん、こんばんは。とにかく食べるものは美味しいし、お酒はどこで飲んでも美味しいですけれども、はははははっ。みなさん暖かくてすごく良いところですね。両対局者とも力一杯指してくれると思います。今回はBSの解説で来ました。佐藤和五段とのダブル解説ということで、よく喋る私が目立たないくらいのほうがいいという意見もありますが(笑)、明日はせっかく棋士二人でやるのですから、ギリギリのところまで踏み込んで、和俊君とも勝負だと思ってやります。彼が詰みを逃そうものならビッシビッシと指摘して、プロらしく深い深い変化まで勝負したいと思います」

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