【杉本昌隆七段の総評】
「両者とも力の入った大熱戦でした。封じ手直前の丸山九段の▲1五歩から▲3五歩は新手筋で、結果的には成功してないようでも、途中はむしろ先手ペースかと思いました。
また、渡辺竜王の手で印象に残ったのは、何といっても86手目の△4三金、そして88手目の△8九竜です。柔軟さと鋭さの見事なコンビネーションで、本局の勝利を決定づける2手と言えるでしょう。

このように隙のない渡辺竜王ですが、本局では丸山九段も終盤の▲5五銀など、持ち味のしぶとさを発揮していました。一番勝てば流れも変わります。
第3局ではさらなる熱戦を期待します。個人的には、丸山九段の切り札、後手番横歩取りがどこで出てくるかに注目しています。ご覧になっていただいた皆様も本日はありがとうございました」
本局の模様を最初から時系列でご覧になりたい方は「第24期竜王戦七番勝負第2局」(10月24日14時56分投稿)から順にご覧ください。























 渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦する第24期竜王戦第2局は18時12分、104手で渡辺竜王が勝ち、2連勝となりました。終局時刻は18時12分。消費期間は丸山7時間59分、渡辺7時間13分。第3局は11月8・9日(火・水)、富山県黒部市「宇奈月国際ホテル」にて行われます。
18時過ぎ、図の▲4三角成から丸山九段は1分将棋に入りました。


 丸山九段が▲5五銀と頑張ったところ。ここで△5八銀▲6六玉△7八竜が▲8二角成に△6七龍▲7五玉△6五竜▲同玉△7四銀▲6六玉△6七金▲5六玉△4四桂▲同銀△6四桂▲5五玉△5四歩▲6四玉△6三香(参考図)までの詰みを用意しています。