将棋会館の大盤解説会で調べられていた一変化を紹介します。
図は142手目△6七歩の局面。実戦は羽生名人が▲4四銀打としましたが、大盤解説会では▲4一馬△2四玉を利かしてから▲4四銀打の変化を調べていました。ところが、この手順は△4四同金と取られ、▲同銀△6八歩成▲同銀△同と▲同玉△5七銀(参考1図)
▲同玉△4六角▲6七玉△5八銀▲5六玉△4七銀不成▲6五玉△7三桂(参考2図)
▲7四玉△8四金▲同玉△8一香▲8三銀△同香▲同玉△9三金▲7四玉△8三銀▲7五玉△8四金(参考3図)
と進んで、先手玉が詰んでしまいます。実戦は羽生名人が単に▲4四銀打と迫りましたが、渡辺竜王は後手玉が詰めろではないことを見切り、△6六角と出て先手玉を受けなしにして勝ちを決めました。森内九段は「(110手目の)△2三玉が冷静でした」と述べていました。
(銀杏)
2010年12月15日 (水)