104手目、後手の渡辺竜王は△5七とを指した。上部を広げ、先手玉の寄せもみた攻防の手だ。
ここで△2二歩(変化図)と竜の筋を遮断する手も見える。控え室ではその変化が入念に検討された。
稲葉四段らの検討陣によると、変化図から▲2七桂△3七歩成と進み(途中図)、
ここで▲4一竜なら△4三歩▲3一竜△2七と▲2五金△3二金(変化1図)で先手が攻めきるのは容易ではないが、
△5三銀▲3三玉△1一竜と補充して、△2四玉には▲2六香△2五桂▲1五金△同歩▲同竜△3三玉▲3五歩(変化2図)で後手玉が危険ということだ。
渡辺竜王の104手目△5七とは、この変化を避けた手順のようだ。
この後局面はバタバタッと進んだが、控え室の形勢判断は後手渡辺竜王の勝勢とのこと。先手が攻めをつなげるのは容易ではないようだ。
(若葉)