図は54手目△3七銀の局面。定跡通りに指し手が進んでいます。以下は所司七段の解説です。
「早い考慮時間で△3七銀を選びました。この形になったら、これで戦おうと決めていたのだと思います。△3七銀自体は従来からある指し手です。ここで(1)▲5八飛と(2)▲3九飛があります。
▲5八飛(参考図)と逃げた変化では、従来は△2六銀成でした。これに▲1四歩なら△2五成銀が手厚く後手十分ですが、▲1三桂成の好手で後手難しいです。ゆえに参考図では△1五歩と取るのが最近の指し方です。以下は▲3五角△3四歩▲6八角と進みます。
そこで△2四歩(参考2図)と突く手が▲同角には△2六銀成~△2五成銀を角取りにしようという工夫です。△3七銀に▲3九飛にも△1五歩だと思います。△2六銀成では▲2九飛でさばかれますし、△2八銀成は指しにくいです」(所司七段)
2010年10月26日 (火)