2009年10月29日 (木)

71手目▲1八飛での佐藤天五段の見解

71手目▲1八飛での佐藤天五段のコメントですRyuou20091028_71 「65手目は▲1三角成も有力でしたが、▲1一歩成の方を選択しました。本譜の先手の指し方は後手玉が狭いため攻め合いになりづらいです。細いですが、自分だけ攻める展開にしたいということでしょう。この▲1三角成の筋は62手目のような形(△3三銀△2二玉型)で出てくることが多いですが、本局は先に1一に玉が落ちています。これが▲1一歩成と成り捨てた効果で、玉が右辺に逃げていく場合に先手が得する意味がある。ただ、後手も△3四銀と立っているので3三からの脱出ルートが開けています。

Sanko6そういう意味で、現局面ではまず(1)△2二玉が考えられます。以下▲1四歩△2五桂▲1三歩成△3三玉(参考1図)▲2三とが一例。 △同金には▲1二飛成(▲3五歩)、 △同銀には▲3五香で攻めが繋がると見ているのでしょう。

Sanko7 ほかに(2)△2二金もあるかもしれません。1一で頑張って成り捨てを咎める意図です。以下単に▲3五香と打つか、▲1四歩△2五桂▲1三歩成△同歩▲同飛成△1二歩(参考2図)にどこかに竜を引く順が有力です。後手はここで間違えて攻めを繋がれてしまうと劣勢に陥ってしまうので、どういう方針で行くか非常に難しい。受けが駄目なら攻め合いも考えなければいけません。いずれにせよ、ここは長考になりそうです。

(銀杏)

コメント