カテゴリ

2025年4月25日 (金)

最終盤

20250425_151_2手数は150手を超え、いよいよ1筋の攻防に入りました。最終盤に突入です。

(牛蒡)

熱戦、先行き見えず

20250425_132一度は消えた先手の二枚飛車がここにきて復活。後手は自玉周りに駒を打ちつけて耐えようとしています。川上七段も容易に形勢判断を下せない熱戦が続いています。

(牛蒡)

杉本五段が逆転

20250425_119図の局面は先手が後手玉に食いつき、逆転しています。しかも残り時間は▲27分、△4分でかなりの差があります。仕掛けで銀損になって以降、ここ数手で初めて先手よしの評判になりました。杉本五段にとって棋士人生で最大の勝負は、ドラマチックな展開を見せています。途中の粘りの姿勢が功を奏しました。ただ、永瀬九段の粘り強さも棋界随一です。再逆転はあるのか。白熱した戦いです。

1913(両ひざをつかむ杉本五段の手に力がこもる)

(牛蒡)

後手変調の声

20250425_097_2後手は図から△6六角と打ちました。それ以前にも△3六桂や△5九飛を決め、明らかに寄せに出ています。しかし、△6六角に▲5七歩△同飛成▲3四歩△5二竜と一転、受けに転じました。▲5七歩に△同角成ではなく△同飛成としたのは、▲5四角を消したり、△5一歩を残すためだと思われますが、攻めていた流れを考えると先手変調です。

20250425_102102手目の局面。残り時間は▲杉本40分、△永瀬8分です。

Dsc_8516(永瀬九段は踏み留まれるか)

(牛蒡)

終盤の粘り

20250425_09772手目▲4二角成以下の攻めを受け止められた杉本五段。最後まであきらめずに粘りに出ています。後手には△5一歩の保険がありますが、穴熊自体は崩壊しているので、絶対に安全な玉とはいえません。正確な指し回しが求められます。

Dsc_8923(原宿、東郷神社)

(牛蒡)

永瀬九段が読み勝つ

20250425_074杉本五段は1図で1時間4分の長考に入り、▲4二角成の勝負手を放ちました。以下△3九歩成▲同銀△1七桂▲3八銀打△4二金上▲5一竜△3一歩▲4二竜△2一香(2図)までノータイムで駆け抜けました。△1七桂、△3一歩、△2一香の組み立てが見事です。

20250425_084△2一香で先手の詰めろが続かない。それが永瀬九段の読みだったようです。2図で4二の竜を逃げるようでは後手玉が鉄壁になり、△5七角くらいで後手勝勢です。実戦は▲4三竜△同金で先手玉が詰めろになりました。杉本五段が仕掛けた渾身の勝負順でしたが、永瀬九段は読みきっていました。正確であり、強い勝ち方です。

Dsc_8827(杉本五段の仕掛けたスパートに、永瀬九段は正確に対応し、逆に差を広げた)

(牛蒡)

前傾姿勢が復活

20250425_07271手目▲3三桂に永瀬九段の応手は△3一金寄でした。これには攻防の▲7五角でどうか。杉本五段は前傾姿勢で読み始めました。まだ好転したわけではないと思いますが、杉本五段は何かある、と感じているのかもしれません。普段の杉本五段は、勝負どころを迎えると、畳を凝視するかのような深い前傾姿勢を見せることがあります。本局でもその姿が見られるかどうか。

1624(天井カメラの映像。16時24分)

(牛蒡)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===