研究手か否か
ダナン三日月では9時から大盤解説会が始まっています。トップバッターは木村九段と野原女流初段でした。この時間は鈴木九段と加藤桃女流三段が出演しています。目算で50人ほどの方が解説を聞いていました。日本から訪れた方もいれば現地の方もいます。
(最前列の観客席には長机がある。飲み物やタブレットを置けるのはうれしいサービス)
図の局面、鈴木九段は「先手の主張は盤上の駒が多いことですが、△4二玉~△3一玉~△3三銀とされると先手の攻め駒が後手玉から遠く、後手の駒得のほうが大きくなります」と解説していました。
先手がどう動くかと注目されていたところ、藤井棋聖はわずか2分で▲3七金!を指しました。次に▲3六金△4四飛▲4五歩が間に合えば飛車を取れますが、△6五歩とされると飛車の捕獲は難しく、▲3七金は形を崩しただけの手になりかねません。相当に指しにくい手です。
「▲3七金はすぐに指しましたね。藤井棋聖といえども、すでに研究は外れていたと思いますが、研究手かもしれないと思わせる早さでした。似た手筋を知っていたか、類型の経験があったのか」(鈴木九段)
(牛蒡)


















1局は角換わりになりました。藤井棋聖の得意戦法を佐々木七段が受けて立った形です。まずは堂々と真っ向勝負といったところでしょうか。38手目△4一飛に▲5三桂成は流行している定跡。数十手先まで前例があることも多いです。
2図は分岐点でした。今期棋聖戦の準々決勝、▲松尾歩八段-△佐々木勇気八段戦は▲5八桂でしたが、藤井棋聖は▲3八桂を選択。これで前例を離れました。▲5八桂は玉頭の守り重視の手。▲3八桂は△4六歩▲同銀△4七歩▲同金△3八角の筋を消しています。どちらも利があり、判断の難しいところでした。






