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2009年5月 7日 (木)

千駄ヶ谷の受け師、木村一基八段

Dsc_0003  対する木村一基八段は、今や言わずと知れた第一線で活躍する棋士。弾力性のある受身の棋風、その根気強く、粘り強い指しまわしから「千駄ヶ谷の受師」の異名をとる。昨年の王座戦で羽生善治王座に挑戦し、同年の竜王戦では、挑戦者決定三番勝負で同じく羽生善治名人と挑戦権を争い、あと一歩まで羽生名人を追い詰めた。その年の竜王戦七番勝負は、言わずもがな。渡辺明竜王と羽生善治名人の「永世竜王」をかけた将棋史に刻まれる名勝負を繰り広げ、実にドラマチックな結末となった。そういう意味で、木村八段もこの100年に一度と称された七番勝負を演出した一人であるが、今度ばかりは、演出側ではなく、自らが主役となるべく闘志を胸に秘めていることだろう。

 昨年度こそ、木村八段の勝率が0.566であったが、通算勝率が0.692。実は、この数字、一見地味なようだが大変に名誉なことで、500局以上対局している現役棋士の中で第2位なのである。トップレベルの棋士の中で戦い、対戦する相手も、「きつく」なっている中でのこの数字は、驚愕に値することだ。今回の対戦相手である稲葉四段も通算勝率0.7234と高勝率であるが、対局数がまだ50局にも満たないので、これは比較の対象とはしにくいだろう。しかし、関西所属若手棋士の中で期待が大きいのも頷ける。因みにであるが、通算勝率の第1位は、というと、羽生善治棋聖で、7割!を優に超えている。全くもって、呆れるほど信じ難い。

関西の新進気鋭、稲葉陽四段

Dsc_0023  稲葉陽。兵庫県出身、1988年8月8日生まれ、20歳。井上慶太八段門下で、2000年に奨励会に入会。2008年4月に四段昇段を果たした。兄の聡さんもアマ強豪として知られている。元奨励会員で、学生名人戦で優勝したこともある。第1回朝日杯将棋オープン戦(2007年)で戸辺誠四段とプロ公式戦を戦った(戸辺四段の勝ち)ことは、記憶に新しい。

 稲葉四段と言えば、本人にとっては苦々しいことであろうが、今年1月9日の新人王戦の対局(対里見香奈倉敷藤花戦)を語らずには、いかないだろう。里見倉敷藤花は、この対局に勝利し、女流棋士の対男性棋士勝利年齢の記録を大幅に塗り替えることとなった(16歳10ヶ月)。何しろ、対戦相手が旬の女流棋士だっただけに、普段より以上に注目を集める結果となってしまった。

 しかしながら、稲葉四段が実力者であることは、紛れもないことだ。現に、今回の棋聖戦でも、10回も勝ち進み、挑戦者決定戦に挑んでいることが稲葉四段の実力を示していると言えるだろう。また、その降した対戦相手も谷川九段、藤井九段、郷田九段など現在のトップレベルの棋士を軒並み倒してのことだ。ただ者ではないし、加えて勝負の重要な要素である「勢い」も持っている。大舞台での経験値がないとは言え、それを補って余りある勝機を携えているだけに、木村八段も当然のことながら、全力で倒しにかかること間違いない。

2009年5月 3日 (日)

第80期棋聖戦挑戦者決定戦、5月7日に対局

 羽生善治棋聖への挑戦権をかけて、挑戦者決定戦が5月7日に東京・将棋会館で午前10時に対局が行われる。
 対局は、5月1日に久保利明棋王を関西・将棋会館で降し、その勢いをもって挑む木村一基八段と関西将棋界期待の新人、稲葉陽(あきら)四段の戦い。両者共に、勝てば棋聖戦のタイトル戦挑戦は初めてとなるが、木村八段は、昨年の第56期王座戦以来、タイトル挑戦は3度目となる。一方の稲葉四段は、タイトル挑戦は、もちろん初めてとなる。また、二人の対戦は、過去になく、今回の対局が初手合いだ。そういう意味でも、この一局は、注目度が高いことも然ることながら、どういう戦いが繰り広げられるか?という興味も尽きないであろう。

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