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2009年5月 7日 (木)

関西の新進気鋭、稲葉陽四段

Dsc_0023  稲葉陽。兵庫県出身、1988年8月8日生まれ、20歳。井上慶太八段門下で、2000年に奨励会に入会。2008年4月に四段昇段を果たした。兄の聡さんもアマ強豪として知られている。元奨励会員で、学生名人戦で優勝したこともある。第1回朝日杯将棋オープン戦(2007年)で戸辺誠四段とプロ公式戦を戦った(戸辺四段の勝ち)ことは、記憶に新しい。

 稲葉四段と言えば、本人にとっては苦々しいことであろうが、今年1月9日の新人王戦の対局(対里見香奈倉敷藤花戦)を語らずには、いかないだろう。里見倉敷藤花は、この対局に勝利し、女流棋士の対男性棋士勝利年齢の記録を大幅に塗り替えることとなった(16歳10ヶ月)。何しろ、対戦相手が旬の女流棋士だっただけに、普段より以上に注目を集める結果となってしまった。

 しかしながら、稲葉四段が実力者であることは、紛れもないことだ。現に、今回の棋聖戦でも、10回も勝ち進み、挑戦者決定戦に挑んでいることが稲葉四段の実力を示していると言えるだろう。また、その降した対戦相手も谷川九段、藤井九段、郷田九段など現在のトップレベルの棋士を軒並み倒してのことだ。ただ者ではないし、加えて勝負の重要な要素である「勢い」も持っている。大舞台での経験値がないとは言え、それを補って余りある勝機を携えているだけに、木村八段も当然のことながら、全力で倒しにかかること間違いない。

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