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2023年6月 4日 (日)

ABEMA中継

本局はABEMAで中継されます。放送開始は日本時間の5日10時30分。解説は深浦康市九段と黒沢怜生六段、聞き手は山根ことみ女流二段と和田はな女流1級。深浦九段は佐々木七段の師匠です。

【ABEMA番組紹介ページ】
https://abema.tv/channels/shogi/slots/DfrqcN1FRawZGT

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(牛蒡)

同行棋士・女流棋士

対局者以外で現地入りしている棋士・女流棋士を紹介します。

小林健二九段 立会人
小山直希四段 記録係
木村一基九段 大盤解説ほかイベント出演
加藤桃子女流三段 同上
野原未蘭女流初段 同上
鈴木大介九段 日本将棋連盟常務理事
西尾明七段  日本将棋連盟常務理事

現地では、4日に前夜祭、5日に大盤解説会が開かれます。詳しくは以下のサイトをご覧ください。(ダナン三日月の英語版リリースです)

【THE FIRST JAPANESE SHOGI CHESS EVENT IN VIETNAM】
https://mikazuki.com.vn/jp/the-first-japanese-shogi-chess-event-in-vietnam.html

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(牛蒡)

開幕局はベトナム・ダナン

藤井聡太棋聖に佐々木大地七段が挑戦する第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負が6月5日に開幕します。藤井棋聖は先日、名人を奪取し、王座を除く七冠になりました。棋聖は3連覇中です。佐々木七段はタイトル戦に初登場。王位戦(七番勝負)でも挑戦者になり、この夏は藤井棋聖とダブルタイトル戦を戦います。

第1局は6月5日の午前9時(日本時間は午前11時)からベトナム・ダナン市「ダナン三日月」で指されます。持ち時間は各4時間。12時から13時まで昼食休憩。立会人は小林健二九段、記録係は小山直希四段。産経新聞の観戦記は君島俊介さんが執筆します。第1局のため、先後は振り駒で決定します。

棋譜コメントは文、ブログ更新は牛蒡が担当します。よろしくお願いします。
今回の中継では、基本的に現地時間で時刻を表記します。日本とはマイナス2時間の時差があります。ブログ記事の投稿時のタイムスタンプは日本時間です。

【主催=産経新聞社】
https://www.sankei.jp/
【特別協賛=ヒューリック株式会社】
https://www.hulic.co.jp/
【第1局 棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/94/kisei202306050101.html

(牛蒡)

2023年4月24日 (月)

五番勝負日程

【第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 日程】
第1局  6月5日(土) ベトナム・ダナン「ダナン三日月」
第2局  6月23日(金)兵庫県洲本市 「ホテルニューアワジ」
第3局  7月3日(月)静岡県沼津市 「沼津御用邸東附属邸第1学問所」
第4局  7月18日(火)新潟県新潟市 「高志の宿 高島屋」
第5局  8月1日(火)愛知県名古屋市 「亀岳林 万松寺」

以上で本局の中継は終了です。ご観戦ありがとうございました。

(睡蓮)

囲み取材

感想戦終了後、佐々木七段は報道陣による囲み取材に応じました。

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――挑戦が決まった感想を改めて教えてください。

佐々木 タイトル戦に出たいというのはプロになってからずっと思っていたので、そのチャンスがもらえるということ、そして藤井棋聖と指せることがうれしいですね。

――実力からするともっと早くに挑戦していてもおかしくなかったと思いますが、ご自身としても「ようやく」という感じでしょうか。

佐々木 いえ、タイトルホルダーやA級の方と比べると実力が劣っている部分は指していて実感しますし、戦法のレパートリーですとか、まだまだ課題も多いので。今回は、振り駒も含めて運がよかったなと感じます。

――藤井棋聖の印象はいかがですか。

最新形に精通していて、中終盤の読みの速度・精度がとても高いです。見ている分には楽しいんですけど、指していると、凌駕されているなと思うことが多いです。

――藤井棋聖との対戦成績は2勝2敗で、開幕局は一昨年の銀河戦以来の対局になります。

佐々木 藤井棋聖に勝ったのは藤井棋聖がタイトルを取る前で、いまはもう、その頃とは別人のような内容の将棋です。厳しい戦いになるのは重々承知ですが、それでも食らいついていきたいと思います。

――和服は何着かお持ちなのでしょうか。

佐々木 いえ、一着も持っていません。

――開幕局はベトナムでの海外対局です。

佐々木 ベトナム対局ということは、噂では聞いていました。海外対局は本当にありがたい機会ですし、現地の方々に知ってもらう機会なので、いろいろと不安はありますけど、初めてのタイトル戦を楽しみながら、いい将棋を指したいです。

――師匠の深浦康市九段にはこれから報告されると思いますが、どのように伝えられますか。

佐々木 普段から将棋の成績について報告することはあまりないので、フリークラスの権利を取ったとき以来の報告になると思います。師匠はタイトル戦を熟知しているので、いろいろとアドバイスを聞いて、勉強させてもらいたいと思います。

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――今日の対局に勝って、15連勝となりました。好調の要因は何ですか。

佐々木 特に何かを変えたわけではないんですが、周りからは眼鏡をかけた辺りから強くなったといわれていて。タネも仕掛けもない眼鏡なんですけど、盤がよく見えるようになったのがよかったのかもしれません。

――車の免許を取ったのもいい影響になりましたか。

佐々木 ドライブの練習も兼ねて、いろいろと一人旅をして、いい気分転換になっています。オン・オフの切り替えができているのかなと思います。

――パスポートの有効期限は大丈夫ですか。

佐々木 棋王戦の挑戦者決定二番勝負で負けてからブラジルにいったのが2019年なので、まだ大丈夫だと思います。

――今回の挑戦者決定戦に向けて、深浦九段からアドバイスはありましたか。

佐々木 いや、まったくなかったですね。最近は対局について何かいわれることはありません。でも、3月に師弟で九州を巡ったんですけど、そのときは一緒にいる時間がとても長かったので、得るものがあったのかなと感じます。

――藤井棋聖を相手にどのように戦うかということもイメージしながら、日々の研究をされているのでしょうか。

佐々木 いえ、それはないですね。目の前の一局の相手は毎回違うので、その相手にあわせて戦型選択もしています。今度の棋聖戦五番勝負は、これから先後ともにしっかりと対策を立てていくつもりです。

――今日の対局は相掛かりでもかなり珍しい形でしたが、温めていた秘策だったのでしょうか。

佐々木 いえ、二日前ぐらいに準備してという感じで。最近はあんまり、何か作戦を温めるということはありません。一回やったら対策をされるので、使えるうちに使うという感じです。

――開幕まではどのように過ごされますか。

佐々木 まずはフルセットを目指して、しっかり準備していきます。

――今回の決勝トーナメントでは、大橋貴洸七段、糸谷哲郎八段、渡辺明名人、永瀬王座と、強敵を連破されました。勝ち抜くことができた要因はどのように考えていますか。

佐々木 相手は全員居飛車党でしたが、全局こちらが先手番で、主導権を握る形を目指しやすかったのは大きかったです。あとは、集中して一局一局臨めたのがよかったと思います。

――勝ち進む中で、挑戦できるかも、という気持ちがちらついたのはいつ頃でしたか。

佐々木 そういう雑念があるといい成績を残したことないので。自分の実力を精一杯出そうという思いでした。

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――プロ入り後、フリークラスを突破して順位戦に参加し、他棋戦でも活躍され、棋士としての7年間の歩みの末にタイトル挑戦にたどりつきました。そのことについての感慨を聞かせていただけますか。

佐々木 特にはないんですけど、周りが上がっていく中で自分が取り残されないように、前年よりもいい成績を残せるようにという思いでやっていました。今回、昨年はベスト4で敗れた棋聖戦で挑戦権を獲得できてうれしいです。

――2019年に棋王戦の挑戦者決定二番勝負で敗れたときの「挑戦者にふさわしくなかった」という言葉が印象に残っています。今日の対局は、そのときの自分といまの自分は違うという感覚を持って臨むことができたのでしょうか。

佐々木 「ふさわしくなかった」という発言は負けてやさぐれていただけでしょうけど、あのときよりは着実に進化できていると思います。この調子を維持したうえで、万全の態勢で五番勝負を迎えたいです。

――開幕局の舞台はベトナムということですが、佐々木七段は過去にブラジルにいかれたり、普段とは違う環境にも積極的に入っていく方という印象です。初めてのタイトル戦の対局をベトナムという異国で指すということについては、どのように感じていますか。

佐々木 海外旅行はブラジルにいった1回だけで、そのときは友人にコーディネートしてもらったところが多かったんですけど。海外対局も初めてですし、和服を着ての対局も初めてなので、その点はしっかり準備していきたいと思います。

――3月に師弟で九州を巡ったというお話がありましたが、その中で応援の声をもらうこともあったと思います。そういった声に支えられた部分はありますか。

佐々木 そうですね。そのときには棋聖戦でベスト4に入っていたので、直接、言葉をかけていただきました。昨日も将棋イベントがあったんですが、いろんな方に「挑戦してください」といっていただいて、改めてモチベーションが上がりました。

――イベントの日程は対局よりもずっと前に決まっていたのだと思いますが、イベントの次の日に対局という点はどのように感じていましたか。

佐々木 準決勝で勝ったのは先週の20日で、イベントが23日だったので、急にイベントを欠席するのでは迷惑をかけてしまいます。それでも休んで挑戦の確率を少しでも上げるという選択もあって、師匠の立場からすると休んでほしい思っていたかもしれませんが、自分はしっかりとイベントもやりきって、悔いのない状態で対局を頑張ろうと思いました。イベントはほかの棋士たちと対局するという内容で、これも研究会の一つと思いながら、いい集中力で臨めました。

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(睡蓮)

感想戦

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終局直後

Dsc_32181 (佐々木七段は大一番で快勝。同時に自身の連勝記録を15に伸ばした)

Dsc_32211 (永瀬王座。2期連続の棋聖挑戦は実現しなかった)

Dsc_32311_2 (165手目▲4三馬までで終局)

Dsc_32331 (主催紙からのインタビューに応じる)

◆佐々木七段の談話

――先手番で相掛かりになりました。序盤は考えてきた構想通りだったのでしょうか。

佐々木 そうですね。実戦では使ったことがなく、研究レベルでしかやったことがない将棋だったので、不安が結構ありました。そんなにうまくいっている感じはしなかったですけど、持ちこたえることができたかなという感じです。

――本局を総括してください。

佐々木 お互いにあまりいい形とはいえない中で、仕掛けのタイミングも難しくて、駒組みの構想も分かりませんでした。手厚くなってきてからは勝ちやすい将棋になって、絶対に落とさないようにと心掛けました。

――タイトル初挑戦が決まりました。

佐々木 これまではチャンスもあった中で挑戦できなかったのでうれしいですし、藤井棋聖と指せる機会なので、思いきりぶつかっていきたいなと思います。

――五番勝負に向けての抱負をお願いします。

佐々木 いろいろと課題が多いので、それをクリアしながら、熱戦を繰り広げられるように頑張りたいです。

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◆永瀬王座の談話

――本局を振り返ってください。

永瀬 お昼休憩のところはかなり手が広いと思ったので、そこでどうやって指すかが難しかったです。

――2期連続での挑戦はかないませんでした。

永瀬 本局は早い段階でバランスを崩してしまって、チャンスはなかったかなと思います。

(睡蓮)

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