【羽生善治棋聖インタビュー】
――第1局と同じく横歩取りになりました
「横歩取りの可能性はあるかなと思っていました」
――序盤の▲9六歩は中村さんが1年前に指した手でもあります
「8筋に歩を打たないでやるとどうなるのかわからなかったので指してみました。似た形の経験はありますが、同じ形はほとんどないです」
――▲8六角がふんわりとした手という評判でした
「しかし、危なかったかもしれないですね。壁の状態で戦いになってしまったので、自信が持てない展開になってしまいました」
――勝ちと思ったのはどのあたりですか
「(71手目)▲6五銀と打って、はっきりよくなったかなと思いました」
――これで今期もシリーズ3連勝で防衛となりましたが、シリーズを振り返られて
「第1局は完全に負けの将棋だったので拾ったような感じでしたかね。全体的に非常に複雑な展開が多かったと思います」
――今回は17歳年下の中村さんとの戦いになりましたが
「そういう機会はこれから増えていくのかなと思っています」
――これで大山十五世名人の80期を超えてタイトル通算獲得数の単独1位となりました。心境はいかがでしょうか
「終わったばかりなので手応えとかは全くないんですが、素直によかったと思います」
【中村太地六段インタビュー】
――本局を振り返って
「中盤以降ずっとギリギリの変化がいろいろとあって、全く分からない状態でした」
――形勢を損ねたと思ったのはどのあたりでしょうか
「(45手目)▲2四桂と踏み込まれる手を予想できていませんでした。読んでいる中では足りない変化が多かったので、もしかしたら悪いのかなと思って指していました」
――シリーズを振り返って
「普段指している戦型で結果を出せなくて残念でしたが、大舞台で自分らしく指せたかなと思います」
(八雲)

図の▲2六金は強い手で決着をつけにいった一手。
ニコニコ生放送解説の屋敷九段も予想しており、この手で先手勝ちと見ているようです。
控え室も終局近しの雰囲気。
羽生棋聖が勝てば、タイトル獲得数歴代単独1位の偉業が達成されます。
(八雲)

17時30分過ぎ、控え室でも予想されていた△3三金が指されました。
一時は先手優勢と見られていましたが、この手が粘りある好手で控え室の見解は「形勢不明」に戻っています。
―棋譜コメントより抜粋―
「△3三金以下▲2二飛△4二金▲2一飛成に△4四歩(参考図)と馬の利きを通し、手番がまわれば△2四銀と桂を取りきることができる。途中の▲2一飛成に代えて▲4五桂も、△3四金▲同飛△同銀▲3二桂成△6四歩で、これも一筋縄ではいかない」

17時45分頃、実戦は△3三金以下▲2二飛△4二金に▲4五桂(次図)と進みました。
▲4五桂までの局面で「羽生さんが残り26分。中村さんは19分」と対局室から戻ってきた勝又六段。

(八雲)