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2013年7月17日 (水)

羽生棋聖が勝って防衛決める

Kisei201307170101100第84期棋聖戦第4局は、100手まで羽生棋聖の勝ちとなりました。終局は17時53分。消費時間は▲渡辺3時間47分、△羽生3時間12分。
初の三冠対決として注目された五番勝負は、3勝1敗で羽生棋聖に軍配が上がりました。

防衛間近か

Kifu_96渡辺竜王は懸命に後手玉に迫るが、羽生棋聖は冷静に対応している。駒割りは後手の金桂桂得と圧倒的な差がついた。17時30分、控室は終局近しの雰囲気。

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三浦八段に聞く

副立会人の三浦八段は、1996年に行われた第67期棋聖戦五番勝負第5局で羽生善治七冠に勝ち棋聖位を奪取している。その歴史的な対局もここ高島屋で行われていた。その当時の話を三浦八段に聞いた。
「とにかく報道陣の数がすごかったですね。当時は対局に集中していたので余裕がなくあまり細かく覚えてはいないのですが、女将さんが優しい方だったことは記憶に残っています。そのあと副立会でまた来ているのですが(2004年の第75期五番勝負)、雰囲気がよく露天風呂が付いている部屋もあり、改めて素晴らしい場所だと感じました」

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三枚換え

Kifu_81_2渡辺竜王は▲7七桂(図)と跳ねて玉の逃げ道を作った。しかし現状は▲角△金銀桂の三枚換えで先手が大きな駒損だ。一度駒損になってしまうと戦力差がつくため、長引くとどんどん差が広がるのが一般的なケース。先手は決戦を挑んでどこかに突破口を求める必要があるが、その手段はあるか。

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(解説会には戸辺六段が急遽登場)

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「先手苦しい」の声

解説会場では解説役が三浦八段から屋敷九段にバトンタッチ。「先手が苦しいのでどう勝負するかというところです」と話していた。控室でも「先手苦しい」の声が出ている。渡辺竜王にうまい手段はあるだろうか。

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羽生棋聖、決めに出る

Kifu_63渡辺竜王が▲5六歩(図)と受けた手に対し、羽生棋聖が長考している。ゆっくりしていると先手は▲7七銀~▲7九玉とどんどん形がよくなるので、後手としては決めにいきたい局面だ。15時35分過ぎ、羽生棋聖は△5六同馬を着手。堅さを生かして踏み込んでいった。以下▲5八飛△4七馬▲同銀と進んで後手は駒損だが、先手玉が露出しているためあらゆる攻めの当たりが厳しくなっている。

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屋敷九段に聞く

本局の立会人を務める屋敷九段は、1990年に高島屋で行われた第56期棋聖戦五番勝負第5局で中原誠棋聖(当時)に勝ち、棋聖位を奪取している。当時18歳でのタイトル獲得は最年少記録として今も破られていない。屋敷九段に当時の思い出を聞いた。
「今回高島屋に来て、建物の中を見てだんだん記憶が蘇ってきました。ええ、素晴らしい場所で対局をさせていただきました。確か2回くらい対局では来ていると思うんですが。どちらも立ち会いが原田泰夫先生だったんですが、独特の原田節を聞いて楽しく過ごした思い出がありますね。懐かしいです。(初の棋聖獲得の頃はまだ十代でしたよね、と尋ねると)そうですね、慣れないところもありましたが、そうしたところも原田先生に見ていただいて、対局に集中できた記憶があります」

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