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2014年7月 5日 (土)

投了の瞬間

T004 (19時33分、モニター映像)

(牛蒡)

羽生棋聖が3連勝で防衛

Kisei201407050101_152

羽生善治棋聖に森内俊之竜王が挑戦する第85期棋聖戦五番勝負第3局(産経新聞社主催)は19時33分、152手で羽生棋聖の勝ちとなりました。消費時間は▲森内3時間59分、△羽生3時間58分。
この結果、3連勝で羽生棋聖がタイトル防衛。棋聖7連覇で連覇記録は大山康晴十五世名人に並び歴代1位です。棋聖獲得は通算13期、タイトル獲得数は計88期となりました。
(銀杏)


一歩千金

129図で△5七歩が痛打。文字どおりの一歩千金で後手勝勢になりました。「なんで△5七歩なんてぴったりした手が残っているんだろう。普通は残っていないものなんだよ」と木村八段。

(牛蒡)

予定変更

107s図の局面で羽生棋聖が長考しています。△3四角は▲3五香にどう指すか。以下△2五角は詰めろですが、▲3三香成から▲4七桂と受けられると、つぎに△2三馬が詰めろで攻めの速度が逆転します。

羽生棋聖は残り5分まで考えて△6五桂▲4五歩△5七桂不成▲6八玉△3二金としました。角を見捨てて自陣に金を打つ。これが後手の予定だったとは思えません。「さすがに予定変更でしょう。長い将棋になります」と木村八段。「局面が最終盤から終盤の入口に戻った」と村山七段。ただ、形勢は後手がまだ残しているようです。「崩れないねえ」と石田九段。

(牛蒡)

最終盤の攻防

93先手が3筋に猛攻を仕掛けています。この攻めが届くのか。それとも後手が余しているのか。木村八段は△3二香▲3三香成△同香▲2二角成△5四歩で後手が余していると話しています。一方、石田九段は先手が盛り返したと力説しています。「いや、難しくなったよ。こうなる将棋ではなかったはず」と石田九段。羽生棋聖は図の局面で時間を使っています。

S025

S012 (継ぎ盤の前には香川女流王将)

S027 (反対側にはアマ強豪の林隆弘さん)

林さんは日本将棋連盟沼津支部の支部会員。将棋ウォーズを開発・運営するHEROZ株式会社の取締役としても有名です。

(牛蒡)

後手が差を広げる

79図で羽生棋聖が指した△5七香不成で、いよいよ後手優勢がはっきりしました。△5七香成では詰めろになりませんが、△5七香不成なら詰めろです。▲5七同金は△2二銀から竜の捕獲を狙います。▲6四桂には△4二玉と逃げれば大丈夫です。継ぎ盤を▲5七同金△2二銀まで進めて「先手に手がない」と検討陣。控室が少し静かになった気がします。

(牛蒡)

2枚目の手裏剣

702枚目の手裏剣、△8七歩が飛んできました。▲8七同金は△3九飛~△2九飛成~△7五桂、▲7八金も壁形になるので△3九飛が厳しそうです。仮に▲7八金△3九飛▲6八玉は△2九飛成から△8八歩成▲同金△7六桂もあります。なお、△8七歩に代えて△6七角成は▲6三歩を与えるので危険です。

控室では後手を推す声が強いですが、その度合いには個人差があります。かなり後手がいいという棋士もいれば、一気に決まるわけではないという棋士もいます。

Q012 (石田九段と藤田女流初段がモニターを見ている)

(牛蒡)

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