羽生善治棋聖に森内俊之竜王が挑戦する第85期棋聖戦五番勝負第3局(産経新聞社主催)は19時33分、152手で羽生棋聖の勝ちとなりました。消費時間は▲森内3時間59分、△羽生3時間58分。
この結果、3連勝で羽生棋聖がタイトル防衛。棋聖7連覇で連覇記録は大山康晴十五世名人に並び歴代1位です。棋聖獲得は通算13期、タイトル獲得数は計88期となりました。
(銀杏)
図で△5七歩が痛打。文字どおりの一歩千金で後手勝勢になりました。「なんで△5七歩なんてぴったりした手が残っているんだろう。普通は残っていないものなんだよ」と木村八段。
(牛蒡)
図の局面で羽生棋聖が長考しています。△3四角は▲3五香にどう指すか。以下△2五角は詰めろですが、▲3三香成から▲4七桂と受けられると、つぎに△2三馬が詰めろで攻めの速度が逆転します。
羽生棋聖は残り5分まで考えて△6五桂▲4五歩△5七桂不成▲6八玉△3二金としました。角を見捨てて自陣に金を打つ。これが後手の予定だったとは思えません。「さすがに予定変更でしょう。長い将棋になります」と木村八段。「局面が最終盤から終盤の入口に戻った」と村山七段。ただ、形勢は後手がまだ残しているようです。「崩れないねえ」と石田九段。
(牛蒡)
先手が3筋に猛攻を仕掛けています。この攻めが届くのか。それとも後手が余しているのか。木村八段は△3二香▲3三香成△同香▲2二角成△5四歩で後手が余していると話しています。一方、石田九段は先手が盛り返したと力説しています。「いや、難しくなったよ。こうなる将棋ではなかったはず」と石田九段。羽生棋聖は図の局面で時間を使っています。
林さんは日本将棋連盟沼津支部の支部会員。将棋ウォーズを開発・運営するHEROZ株式会社の取締役としても有名です。
(牛蒡)
図で羽生棋聖が指した△5七香不成で、いよいよ後手優勢がはっきりしました。△5七香成では詰めろになりませんが、△5七香不成なら詰めろです。▲5七同金は△2二銀から竜の捕獲を狙います。▲6四桂には△4二玉と逃げれば大丈夫です。継ぎ盤を▲5七同金△2二銀まで進めて「先手に手がない」と検討陣。控室が少し静かになった気がします。
(牛蒡)