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2024年4月22日 (月)

昼食休憩

2024042226_212時、図の局面で佐藤九段が10分使って、昼食休憩に入りました。消費時間は☗佐藤42分、☖山崎1時間4分。昼食注文は佐藤九段が「豚しゃぶ梅しそ弁当(鳩やぐら)」、山崎八段が「豚しゃぶごま味噌弁当(鳩やぐら)」。対局は12時40分に再開されます。

(紋蛇)

意表の角上がり

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山崎八段の居飛車と振り飛車を天秤にかけた作戦に対し、佐藤九段が意表の手を指しました。▲8六角(2図)です

2024042219_3▲5三角成を見せて、後手に態度を決めさせようとしています。△5二金右や△4二金なら後手は振り飛車にしにくくなり、居飛車に限定できそうです。もちろん△8四歩~△8五歩とされると▲7七角で手損になるので善悪は微妙です。

後手が突っ張るなら、2図で△4五歩はあるかもしれません。▲5三角成なら△5二金左と受けます。

2024042222_3馬を左右のどちらに引いても、△6六角と歩を取ってから飛車のコビン攻めを狙ってどうでしょうか。△4五歩に▲6七銀なら、△4四角~△3三桂とすれば居飛車と振り飛車の含みにしたままにできます。

(紋蛇)

摩訶不思議な山崎流

早々に「山崎ワールド」が始まっています。初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二銀(1図)の出だしでした。

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珍しい出だしながら、1図の前例は55局もあります。ただ直近は2022年、その前は2015年に指されたことからもわかるとおり、公式戦ではそこまで現れません。
△3二銀は居飛車と振り飛車を含みにする意味と思われます。佐藤九段は向かい飛車に構えましたが、山崎八段は態度を明らかにしないまま自陣を整備しています。2図は11時前の局面です。

2024042218後手が居飛車にすれば次に△4二玉から囲って7筋の銀を急戦に使う構想、また相振り飛車を目指すなら△3二飛や△4五歩などの駒組みが浮かびます。佐藤九段はどちらの作戦にも対応できるように自陣を整備しないといけません。力戦形とあって、ともに序盤から時間を小刻みに使う展開になっています。

(紋蛇)

対局開始

Dsc_3396(10時、対局開始)

Dsc_3408(佐藤九段の初手は▲7六歩)

Dsc_3422(山崎八段。△3四歩と応じた)


(紋蛇)

朝の様子

Dsc_3338(山崎八段が先に入室し、下座に着いた)

Dsc_3339_2(佐藤九段は入室すると、タブレットを見ていた。恐らく段位をチェックし、自分が上座でよいのかを確認したのだろう)

Dsc_3346(一礼して駒箱を開ける)

Dsc_3350

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Dsc_3367(佐藤九段の振り歩先で、振り駒が行われた)

Dsc_3370(結果は歩が3枚。佐藤九段の先手が決まった)

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(紋蛇)

動画中継

本局はABEMAで動画中継が行われます(解説はなし)。

【情報ライブ第95期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦 佐藤天彦九段対山崎隆之八段】
https://abema.tv/channels/shogi/slots/DW4NnAwvaj7DJ7

(紋蛇)

ヒューリック杯第95期棋聖戦挑戦者決定戦

藤井聡太棋聖への挑戦を目指すヒューリック杯第95期棋聖戦は、挑戦者決定戦を迎えました。勝ち上がったのは佐藤天彦九段と山崎隆之八段です。対局は2024年4月22日(月)10時開始、対局場は東京・将棋会館。持ち時間は各4時間です。主催の産経新聞社の観戦記は、勝又清和七段が執筆します。

佐藤九段が棋聖戦で挑戦者決定戦に勝ち上がるのは、第82期・第86期に続いてです。本局には勝てば初挑戦になります。全棋戦を通じて挑戦者決定戦に相当する一番まで進出したのは、2022年の第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負以来のこと。2019年の第77期名人戦七番勝負以来のタイトル戦出場を目指します。

山崎八段の棋聖戦挑戦者進出は、今回が初です。全棋戦を通じて挑戦者決定戦に相当する一番まで勝ち残ったのは、2022年の第35期竜王戦挑戦者決定三番勝負以来となります。棋聖挑戦となれば、初めてタイトルに挑戦した2009年の第57期王座戦五番勝負以来、2回目のタイトル戦出場です。
これまでの対戦成績は山崎6勝、佐藤5勝。現在は山崎八段が2連勝中です。直近の対局は昨年2月の第36期竜王戦1組出場者決定戦で、後手の山崎八段が一手損角換わりを採用しました。

ここ1年の両者の将棋の傾向を振り返ると、山崎八段は若手の頃から変わらずに居飛車を基軸にし、力戦を好みます。対する居飛車党だった佐藤九段は2020年からオールラウンダーになり、特に昨年9月から振り飛車を連採しています。戦型は対抗形か相振り飛車が有力ながら、オールラウンダー同士ならではの駆け引きが繰り広げられる可能性が高いです。特に力戦志向の山崎八段が変わった出だしを披露すれば、序盤から手が止まることでしょう。

どちらが勝っても、藤井聡棋聖とのタイトル戦は初めてです。藤井聡棋聖には初の永世称号「永世棋聖(通算5期以上で獲得)」が懸かっており、注目の五番勝負となります

本局の中継は、棋譜コメントを文、中継ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いします。

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