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2019年4月26日 (金)

両者経験ある将棋

20190426a図は△1四歩まで。手順は少し違いますが、二人は棋聖戦で経験があります。
渡辺二冠は決勝トーナメント2回戦の対稲葉陽八段戦、郷田九段は二次予選2回戦の対糸谷哲郎八段戦です(いずれもモバイル中継局)。
▲渡辺-△稲葉戦は▲5六銀△6二金▲6六歩△5二玉…、▲糸谷-△郷田戦は▲5六銀△6五歩▲7九玉△5四銀…と進んでいます。
本局、渡辺二冠は▲6六歩と位取りを拒否しましたが、郷田九段はいきなり△6五歩として歩がぶつかりました。

(銀杏)

6期前の挑戦者決定戦

本局の両者はともに2013年の第84期以来の挑戦者決定戦進出です。すなわち、第84期の挑戦者決定戦も渡辺-郷田戦でした。ちょうど6年前の対局です。当時の渡辺二冠は、竜王、棋王、王将の三冠王でした。勝った渡辺二冠は当時の羽生善治棋聖に挑戦しましたが、1勝3敗で敗退しました。
【中継ブログ】
https://kifulog.shogi.or.jp/kisei/84/

開始日時:2013/04/26 10:00
終了日時:2013/04/26 19:46
棋戦:第84期棋聖戦挑戦者決定戦
持ち時間:各4時間
消費時間:135▲226△239
場所:東京・将棋会館
先手:渡辺 明竜王
後手:郷田真隆九段

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △3二金
▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀 ▲3八銀 △7二銀 ▲9六歩 △9四歩
▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀 ▲6八玉 △1四歩 ▲1六歩 △4一玉
▲5六銀 △5二金 ▲7九玉 △3一玉 ▲5八金 △5四銀 ▲3六歩 △4四歩
▲3七桂 △7四歩 ▲6六歩 △3三銀 ▲4八飛 △4二金右 ▲8八玉 △2二玉
▲1八香 △3五歩 ▲同 歩 △2四銀 ▲3四歩 △4三銀 ▲6三角 △3四銀
▲2七角成 △7五歩 ▲同 歩 △8六歩 ▲同 歩 △9五歩 ▲同 歩 △8五歩
▲同 歩 △9五香 ▲9六歩 △同 香 ▲同 香 △9五歩 ▲2五歩 △3三銀
▲3五歩 △4三銀 ▲9五香 △8五飛 ▲8六歩 △9五飛 ▲9六歩 △同 飛
▲9七歩 △9一飛 ▲4五歩 △8五歩 ▲2四歩 △8六歩 ▲同 銀 △8七歩
▲同 金 △8五歩 ▲同 銀 △8六歩 ▲同 金 △7三桂 ▲7四銀 △8四香
▲8五歩 △同 香 ▲同 銀 △同 桂 ▲同 金 △2四歩 ▲9六香 △7一飛
▲4四歩 △4七歩 ▲2八飛 △4四銀左 ▲2三歩 △同 金 ▲2五歩 △同 歩
▲2四歩 △同 金 ▲3六桂 △7六銀 ▲8六金 △8一飛 ▲8五歩 △同 銀
▲2四桂 △8六銀 ▲8一馬 △7七歩 ▲6八金 △8七歩 ▲7九玉 △4八歩成
▲同 飛 △5九角 ▲8二飛 △4一歩 ▲1二桂成 △同 玉 ▲2四香 △3二金打
▲4四飛 △同 銀 ▲2三金 △同 金 ▲同香成 △同 玉 ▲2四歩
まで135手で先手の勝ち

対局開始

Dsc_9768 (定刻の10時になり対局開始)

Dsc_9772 (渡辺二冠の初手は▲2六歩)

Dsc_9773 (郷田九段の2手目は△8四歩)

(銀杏)

対局前の様子

Dsc_9733 (王将を据える渡辺明二冠。第78期と第84期の挑戦者)

Dsc_9739郷田真隆九段。第69期と第72期の棋聖。五番勝負登場は6回)

Dsc_9736 (両者、大橋流で駒を並べていく。二人の初手合は2004年の第75期棋聖戦での▲渡辺五段-△郷田九段戦。2013年の第84期では挑戦者決定戦で対戦している。これら2局はいずれも渡辺勝ち)

Dsc_9744 (振り駒は駒が2枚重なって無効。歩が2枚出て渡辺二冠の先手に決まった。振り駒で駒が重なったり、立ったりした場合はそれらは数えない。対局規定第3章にその旨が記載されている)

(銀杏)

2019年4月25日 (木)

第90期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦は4月26日対局

豊島将之棋聖への挑戦を目指す第90期ヒューリック杯棋聖戦(主催:産経新聞社、特別協賛:ヒューリック株式会社)の挑戦者決定戦は、4月26日に東京・将棋会館で指されます。挑戦者決定戦には、渡辺明二冠と郷田真隆九段が勝ち上がりました。対局の持ち時間は各4時間。先後は渡辺二冠の振り歩先(歩が多いときは渡辺先手)による振り駒で決めます。
過去の対戦成績は、渡辺23勝、郷田14勝です。
棋譜中継は文、ブログは銀杏が担当します。
よろしくお願いいたします。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kisei/

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/90/kisei201904260101.html

2018年7月17日 (火)

記者会見

感想戦のあとに、豊島将之新棋聖の記者会見が開かれました。
第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負は、豊島将之八段が羽生善治棋聖を3勝2敗で破って、初タイトルの棋聖獲得という結果になりました。
すでに第90期の一次予選が始まっています。豊島棋聖に誰が挑戦するか、引き続き注目いただけたらと思います。本日は観戦ありがとうございました。 (銀杏)

20180717_kaiken (花束贈呈)

20180717_kaiken1 (記者会見に臨む)

20180717_kaiken2

20180717_kaiken3(質問に一つ一つ考えながら丁寧に答えていた)

―――初タイトルおめでとうございます。感想をあらためてお聞かせいただけたらと思います。

豊島「20歳のときに初めてタイトル挑戦して、そのあと8年近くかかったので結構長かったですけど、まだ終わったばかりで実感はないですが、あきらめずにやってよかったなと思います」

―――タイトル戦は5回目の挑戦でした。いろんな思いやプレッシャーがあったかと思います。どのような思いが支えていたのでしょうか。

豊島「プレッシャーはありましたが、自分のできることをやって、全力を出し切ることを集中しようと思っていました。
でも、初タイトルがこういうことも多少考えていましたけど、自分のできることに集中したいと思っていました」

―――師匠の桐山清澄九段も棋聖を3期取られています。

豊島「師匠とは、奨励会に入る少し前から8年くらい月1回くらいで教わっていました。師匠が取ったことのあるもの同じタイトルなのは、何かの縁かなと思います」

―――終わったばかりですが、何をしたいですか。

豊島「師匠と、子どものころお世話になった指導棋士の土井春左右先生、あと母親に会見後に連絡したいと思っています」

―――棋聖を獲得されました。次の目標はいかがでしょうか。

豊島「王位戦も挑戦中なので、まずはそれを。第1局はいいところなく負けてしまったので、巻き返せるように。相当頑張らないと厳しいだろうと思っているので集中したいです。ほかの対局も重要な対局がたくさんあるので頑張りたい」

―――島九段にうかがいます。豊島新棋聖が誕生で戦国時代となりました。お考えをお聞かせください。

島九段「豊島さんおめでとうございます。過去に例のない八大タイトルをわける戦国時代ですが、豊島さんはもっと早く取れてもおかしくなかったと思います。
羽生さんとのすごい五番勝負で名勝負した。これからも豊島さんと異なる世代、同世代のライバルと競い合って伸びていかれるのではないかと思います。意義深い五番勝負だったと思います」

―――関西では糸谷哲郎八段、菅井竜也王位とタイトルを取っている棋士がいます。焦りはなかったでしょうか。

豊島「初めはそういう気持ちもあったが、だんだんとそういうのもなくなって、自分ができることに集中したいと思っていました。そもそもタイトルを取れるのか、取れないままで終わってしまうのではという気持ちもあったので、あまり人のことは考えずに、自分のことに集中する感じにだんだんと変わってきました」

―――谷川浩司九段は「豊島さんは一人で研究していくこと大変なことだ」と感想をおっしゃっていました。ご自身ではどう感じていましたか。

豊島「特に信念があったわけでなく、試しに自分一人でやめてみたらどうなるかを思って始めて、わりと自分に合っていると思うので続けています」

―――タイトルホルダーとして、どのようにしていきたいと思いますか。

豊島「これまでは勝ち負けにこだわって指してきたので、もう少し先になると思いますが、内容的にもう少し自由な感じで指せたら、もっといいかなと思います」

―――若手棋士が台頭してきていると思うが、どう感じていますか。

豊島「自分より若い方でも、強い方が出てきていると感じます」

―――若手棋士の台頭について、どういう理由や要因があると考えますか。

豊島「少しずつ、将棋が新しくなってきていると思います。将棋ソフトの影響もありますし、新しい指し方が出てきて、これまでの経験が生きる形もありますが、そうでない形がたくさんあるので、若い方が活躍されているのかなと思っています」

―――いままでの型にとらわれず指したり、研究されたりしている印象でしょうか。

「そうですね」

―――タイトルを取れるか不安になったといいう話もありました。心が折れかけたこともあったかと思いますが、ここまで棋力を挙げてこられた原動力は何でしょうか。

豊島「子どものころから好きで始めた将棋なので、純粋に楽しいということがあります。でも、そう思えない時期もありましたが、周りの方や応援してくださる方がいて、頑張ろうと思っている自分がありました」

―――つらかったというのは、いつごろのことでしょうか。

豊島「そうですね、25歳あたりからいままでくらいですかね」

―――戦国時代という話がありましたが、王位戦でタイトルを取れば、早くもタイトル保持数で優位に立つ可能性があります。意気込みをお聞かせください。

豊島「ただ、王位戦は第1局でいいところなく負けてしまったので、相当頑張らない厳しいと思っています。初タイトルを取りましたが、気持ちを引き締めて頑張りたいと思います」

―――羽生竜王の1強時代を崩すような象徴的な勝利だったと思いますが、藤井聡太七段など若い世代が出てきています。

豊島「羽生先生とはこれまで何度も指していて、今回もかなり厳しい戦いになると思って挑みました。藤井七段は現状でも相当強いですし、伸びしろがかなりあると思うので、これから戦っていくのは大変なるだろうと思いますけど、自分にできることをやっていくしかありません。藤井さんはさらに強くなるでしょうから、今後難しい戦いになると思いますが、タイトル戦に出続けられるようにならないと頑張らないといけないと思っています」

―――将棋を始めたのは4歳のころに羽生先生の映ったテレビを見た縁もありましたし、4年前の王座戦五番勝負での名勝負では敗れました。そうした中で羽生先生を乗り越えた感慨をお聞かせください。

豊島「1回勝つことができましたけど、やはり自分の中に課題もたくさんありました。中終盤で粘り強く指されて、自分にミスが出たことが多かったです。ですので、はっきり勝てた感じはありません。王座戦や前の棋聖戦は、はじめの段階で悪くなって敗れることが多かったです。今回はそういう展開ではなくなったので、自分でも少し成長したのかなと思います。ただ、課題の残るシリーズだったと思います」

―――これまで負けたこともあるが、羽生竜王との対戦でのタイトル獲得をどう感じているか、ようやくタイトルをとれた。意気込みで違う部分があるのか、やってみて手ごたえが違うのかお聞かせください。

豊島「羽生先生は将棋を始める前からずっとトップ棋士で指されています。そういう活躍を見てきているので、対局できること自体が信じられない気持ちを持ちながら対局している感じです。羽生先生に勝ってタイトルを取れたのは、なんというか現実ではないような気持ちもあります。
これまでのタイトル戦との違いは、これまで肩に力が入りすぎていてよくなかったと思ったのでそうならないようにしようと思いました。実際は、やはり結構力が入っていたかなと思います。内容的には序中盤は割とうまく指せたかなと思います。これまでは悪くなってしまうことが多かったので、それが違いかなと思います。

―――対局中に誤って警報が流れてしまいました。1回退室されました。どのあたりまでいかれたのでしょうか。

豊島「びっくりして外に出ましたが、退室したくらいです。廊下に出たところで、職員の方だったか、ホテルの方だったか忘れてしまいましたが、予行演習のようなものと聞きました。対局中だったのでびっくりしました」

―――王将戦から充実していると思いますが、実感はありますか。好調の秘訣について心当たりはありますか。

豊島「少しずつ棋力が上がってきていると思います。今年はタイトル戦で3回挑戦できて、これまでなかったので、力がついていると思います。王将戦のタイトル戦とA級順位戦のプレーオフが終わったあとで、気持ちが折れることなく、高いモチベーションで続けられたのがよかったと思います」

―――8タイトルを8人でわけあっています。豊島棋聖はどういう風に考えていますか。

豊島「強い方が多く出ていると思う。上のレベルで割りと力が拮抗しているのかなと思います。A級順位戦でも6-4で6人プレーオフになりました」

―――羽生世代といわれる世代の棋士がタイトルを持ち合う時期が続きました。近年に20代の棋士がタイトルを取るようになりました。力が上がって追いついてきた実感はお持ちでしょうか。

豊島「自分もそうですし、同世代も20代後半になってからも少しずつ力が伸びてきているかなと思います。ただ、羽生先生と同じ世代の方と指すと、経験の差を感じることもあります」

―――力がついたことと戦術の変化が関係あるのでしょうか。

「そういうところもあるかと思います。これまでと違う価値観が出てきています。そういう影響もあるかと思います」

20180717_toyoshima10 (フォトセッションの様子)

20180717_toyoshima11 (色紙は感想戦後に揮毫したもの)

感想戦

20180717_kanso1 (感想戦中も多くのカメラマンが二人を撮り続けていた)

20180717_habu8 (感想戦を終え、駒をしまうことが第88期棋聖として最後の仕事となる)

20180717_kanso2 (感想戦は19時5分ごろに終了した)

20180717_kanso3 (報道陣が退室してから、対局者も席を立った)

(銀杏)

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