【タイトル初挑戦を決めた服部七段の談話】
――振り駒で後手番になりました。後手になったら雁木にする予定でしたか。
服部 そのプランでした。
――序盤の立ち上がりはいかがでしたか?
服部 早い段階で激しい攻め合いになったので、ずっと難しい将棋だと思っていました。△8六歩(54手目)と打てているので主導権が握れていればと思っていましたが、桂を取られていますし、玉が薄いのでバランスを崩さないようにと思っていました。
――羽生九段の積極的な攻めに対して服部七段も攻め合いに出ました。
服部 ▲2四歩(35手目)と突かれたら仕方がないかなと。▲3七桂なら穏やかな将棋になるのかなと思いましたが、▲2四歩でしたので。△4二金右と寄る手はあるかなと思いましたが、受けてもどうかと。桂損の間に拠点を生かしてと思っていました。後手は△8五歩(38手目)と伸ばさないと攻めにならないので、仕方がないかなと思っていました。
――中盤以降は羽生九段の攻めが奏功する進行でした。終盤にいくにつれての形勢判断はいかがでしたか。
服部 けっこう難しいと思ったのですが、そこから数手でバランスを崩してしまって。△2六歩(78手目)と打ったのが中途半端でちぐはぐだったのかなと。▲6五桂(79手目)に△4四角と上がらないといけなかったかもしれません。気づいたらこちらの攻めが間に合わなくなって後悔していました。
――終盤は危うい感じになったようでしたが。
服部 最後の最後まで足りないと思っていました。▲1五銀に△3六玉(150手目)と寄って、もしかしたら詰まないのではと思いました。
――タイトル初挑戦です。
服部 まだ実感がわかないですが、藤井(聡太)棋聖と戦えるのはすごくうれしいことだと思います。
――藤井棋聖戦に向けた抱負をお願いします。
服部 タイトル戦に出るからには盛り上げたいと思っています。
【敗れた羽生九段の談話】
――序盤から流れ的にはかなり積極的に指されていた印象でしたが、いい形で進められたのではないですか?。
羽生 終始ずっと難しい気がしていました。駒がぶつかったところから終盤まで、ずっと際どい局面が続いていたような気がします。
――夕方以降も優勢な局面が続いていたようでした。
羽生 △7九銀(114手目)と打たれたときの応接がちょっとどうだったか。間違えたような気がします。
――一分将棋の終盤で▲5一飛(143手目)と打っていったあたりはいかがでしたか。
羽生 そうか、詰んでいたんですね。ひどかったです。上が抜けてしまったのかと思って。王手を掛けられたときにどちらに逃げればいいかわからないまま指していて。最後、ぴったり勝ちがあったとは気づかなかったです。
――本局を振り返って。
羽生 細かいところでの精度を上げていかないといけないなという課題が残りました。
――今後の抱負をお願いします。
羽生 一局一局の積み重ねなので、これからも変わらず全力で取り組みたいと思います。
(琵琶)
藤井聡太棋聖に服部慎一郎七段が挑戦するヒューリック杯第97期棋聖戦五番勝負の日程と対局場は以下の通りです。(銀杏)
第1局:6月4日 (木) 龍宮城スパホテル三日月 (千葉県木更津市)
第2局:6月19日(金) 日光金谷ホテル (栃木県日光市)
第3局:7月1日 (水) 沼津御用邸東附属邸第1学問所 (静岡県沼津市)
第4局:7月8日 (水) ホテルニューアワジ (兵庫県洲本市)
第5局:7月22日(水) 高志の宿 高島屋 (新潟県新潟市)
藤井聡太棋聖への挑戦を目指すヒューリック杯第97期棋聖戦挑戦者決定戦の▲羽生善治九段-△服部慎一郎七段戦は、20時2分に156手で服部七段の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生3時間59分、△服部3時間58分。服部七段は初めてのタイトル挑戦になります。
藤井棋聖と服部七段による五番勝負第1局は、6月4日に千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で指されます。(銀杏)
△3七金以下、▲5一飛△4四玉▲5四飛成△3五玉(図)と進みました。上部には後手の駒が多く、詰みはないようです。対して先手玉は△2八飛▲3九玉△3八飛成までの詰めろになっています。最後の最後で逆転したかもしれません。
(琵琶)
服部七段は手順を尽くして先手玉を追い詰めました。問題は後手玉に詰みがあるかどうか。竜を抜いて上部が広くなったため、簡単ではないようです。羽生九段は頭に手をやりました。
(琵琶)

服部七段が勝負に出ました。△7九銀(図)は鋭い手で、▲7九同玉には△4三飛▲同歩成に△7八銀から迫って先手玉を追い込むことができるかもしれません。残り10分を切った羽生九段は勝ちきることができるでしょうか。
(琵琶)