カテゴリ

第83期棋聖戦五番勝負第3局

2012年7月 5日 (木)

対局再開

329
12時55分頃、中村六段が入室。

336

320
対局室に向かう羽生棋聖。

359
12時57分頃に両者が揃った。

362_2

379
再開が告げられると、羽生棋聖はすぐに▲8六角と指した。

391
再開の一手を見て、中村六段が考え出した。

(八雲)

谷川浩司九段に聞く

平成12年4月の全日本プロトーナメント決勝第3局で、本局の類型から△8七歩~△9三桂を指した経験のある谷川浩司九段に話をうかがいました。

「当時岡崎六段が、▲9六歩~▲7五歩でヒネリ飛車を目指す構想を得意にされていましたので、対抗策として△8七歩~△9三桂の構想を深く研究して全日本プロの五番勝負に臨んだ覚えがあります」(谷川九段)

399

谷川九段は「本譜の後手の条件はその時よりは悪い」と言います。
現局面は先手番ですが、仮に後手の手番だとしてもすぐに△8五桂とは指しづらいとのこと。5二玉型のため3二金が浮いているのが大きな違いで、△8五桂▲同桂△同飛に▲4五桂があります。
後手が△8五桂と跳ねるためには、例えば△2三銀として3二金にヒモを付ける手が必要とのこと。谷川九段の指した前例に比べると手が遅れています。

「もちろん中村六段はそれを承知で△8七歩~△9三桂としています。相当に研究して、この形で先手に手を渡しても有効な手がないと見ているのかもしれませんね」(谷川九段)

150
休憩中の対局室

140
休憩中の盤面(手前が後手)

(八雲)

昼食休憩

前記事の32手目△9三桂の局面で12時を回り昼食休憩に入りました。
消費時間は▲羽生1時間45分、△中村56分。対局は13時に再開します。

139_2
昼食のメニューは両者同じで、「天ぷら(ふぐ・きす・かきあげ)そば」と「おにぎり(梅・おかか)」。
天ぷらは11時58分に揚げたものを12時3分に対局者の部屋に運ぶとのこと。宿の心配りに温かさを感じます。

(八雲)

中村六段が積極的に踏み込む

28
中村六段の28手目△2七歩は積極的に踏み込んだ一手。角を追って手を作りにいきました。
図から▲9七角△9五歩▲同歩△9三桂と進んで次図。

32
図の局面は後手側の陣形を4一玉・6一金・6二銀型に変えると、平成12年4月の全日本プロトーナメント決勝第3局▲岡崎六段-△谷川九段戦の前例があります。

―棋譜コメントより抜粋―
▲岡崎-△谷川戦は、ここから▲7四歩△同歩▲8六飛△同飛▲同角で大決戦になった。6一金が浮いているから踏み込みやすい筋だ。
本譜は金にヒモがついているため、同じようにやってうまくいくかどうか。7一銀型をとがめる意味で、▲6五桂と跳ねる順も考えてみたい。

【ニコニコ生放送】
屋敷伸之九段>ひねり飛車模様に対する一つの攻め筋ですね。次に△8五桂とした時に▲8六飛の返し技があるのですが、そこで△9六歩と打てるというのが9筋を突き捨てた意味です。

(八雲)

前夜祭の様子

昨日紹介しきれなかった前夜祭の様子です。

244
実行委員会 会長 永井良三
「江津市、有福温泉を知ってもらう機会として、一過性のイベントで終わることがないよう盛り上げていきたい」

248
産経新聞社大阪編集局 次長 松田則章

253
日本将棋連盟 理事 谷川浩司
「棋聖戦がはじまったのは昭和36年。あまり関係はありませんが、私の生まれた年でもあります」

262
江津市長 田中増次
「ようこそ。心から歓迎いたします。最初に江津市で棋聖戦をという話が持ち上がったときに、そんな大きなイベントを江津市でできるのかと不安でした。柿本人麻呂が古事記を編さんしたのが1300年前。こちらの有福温泉が発見されたのは1360年前。ちょうど遣唐使の時代で、その頃に将棋が日本に来たともいわれているそうです。そういう縁があるなら、よし頑張ってみようじゃないかと力を合わせて、実現にこぎつけたというわけです」

267_2
島根県知事 溝口善兵衛
「里見香奈女流四冠の活躍が記事になる機会も多く、島根県民の関心も高まっています。今日は有福温泉に一泊して、棋聖戦の開始を見ることができるということで、楽しみにしております」

284
花束贈呈

対局者決意表明
291
羽生善治棋聖
「地元の皆さまが一体となって盛り上げていただいているなと、こちらに来てひしひしと感じております。また自然のあふれる素晴らしい環境で対局をできることを、うれしく思います」

313
中村太地六段
「島根県には初めて来させていただいたのですが、海あり山ありで素晴らしいところだと思いました。このような舞台を用意していただいたので、自分らしい将棋が指せるように頑張りたいと思います」

318
前夜祭で供された料理の一部

346
江津市を含む石見地方の伝統芸能「石見神楽」が演じられた

357
魚釣りの様子をコミカルに演じる「恵比寿」。演じているは小学4年生の男の子と聞いて皆ビックリ

367
江津対局に協力している「関西駒の会」の皆さんが揃いのハッピを披露してくれた

369
ピンクのハッピ(中央右)の村田智穂女流二段もメンバー

(八雲)

揮毫

前日の検分後に揮毫が行われましたので、その様子を紹介いたします。

204_3
谷川浩司九段

221_2
羽生棋聖

480
中村六段

495
小林健二九段


542_2
対局で使われる盤の裏にも揮毫された

(八雲)

10時のおやつ

時刻は10時を回り、対局室におやつが運ばれました。

092
羽生棋聖はホットコーヒー。

087
中村六段はシュークリームと紅茶。

(八雲)

対局開始

078
羽生棋聖の初手は▲7六歩。

083
中村六段の2手目は△3四歩。

071

20120705mo0930

画像は9時30分頃の中継画面。予想通り横歩取りに進みましたが、羽生棋聖の▲9六歩が珍しい手で、直近で指しているのは中村六段のみということで控え室がどよめきました。

(八雲)

入室~対局準備

007
大雨の影響で準備に手間取りましたが、9時30分過ぎに対局室が整った。

012
9時45分過ぎ、中村太地六段入室。

018_2
羽生善治棋聖は9時53分頃入室。

034

038

047

065_2

(八雲)

江津市役所~有福温泉(前日の様子)

昨日紹介しきれなかった到着までの様子です。

049
江津市役所では市長他、大勢の職員に出迎えていただいた。

065
江津市のゆるキャラ、人麻呂・よさみ姫と記念撮影。

086
ゆるキャラから記念品の贈呈。

096
頭を押してもらって出口を通る人麻呂くん。

121
市役所から対局場の旅館ぬしやまでは15分ほどで到着しました。

126
ロビーで関係者と談笑。この後対局室検分が始まります。

(八雲)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===