主導権は後手にあり
控室の評判は「後手が少し作戦勝ち」。先手番としては、主導権を握って攻めていきたいのですが、本局では難しそうです。戸辺七段に話を聞きました。
「先手の駒組みはあまりスムーズではありません。バランスの取り方に苦労している印象です。時間の使い方を考えても、山崎八段が少し苦しいのかなと思います。ただ、山崎八段は中盤で力を発揮するタイプですし、後手番になったくらいの気持ちで、相手に動いてもらいたい、と考えているのではないでしょうか。藤井棋聖としても、そう簡単ではないと思います。△5四銀と戻って様子を見るか、積極的にいくなら7筋の歩を切るか。まだしばらくジリジリとした展開になるのではないかと思います」