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2022年6月 2日 (木)

開幕式(3)

【見どころ紹介】

Img_4585(両対局者が退場し、現地棋士による第1局の見どころ紹介に移った。右から小林健二九段、井上慶太九段、東和男八段、折田翔吾四段)

小林 明日は本当に素晴らしいふたりの対局で、私は引退してさっぱり将棋が分からないので、現役の方にお願いしたいのですが。

井上 いちばんの現役は折田さんですが。おふたりは、藤井棋聖が四段になったころから研究会をされているということで。さすがに、いまはしていないのかな?

小林 コロナ禍のときにネットでやっていたという話なので、手の内は分かっているでしょうね。

井上 明日は折田さんが振り駒をされるのかな?

折田 はい、そうです。

小林 これは責任重大ですね。

井上 東先生、どちらが先手になると思いますか?

東  それは分からない(笑)。対戦成績は藤井棋聖の7勝3敗ということでしたが、直近は永瀬王座が2連勝していて、その戦型が雁木と相掛かりでしたから、そのどちらかを持ってくるのかなと。

小林 どちらも振り飛車にしないで、相居飛車になりますかね。

Img_4591(立会人の小林健九段)

Img_4593(井上九段。今度は日本将棋連盟常務理事としてではなく、棋士として意見を交わす)

井上 言えるのは「簡単には終わらない」ということでしょうか。手数で言えば100手以内で終わることはないんじゃないかなあ。折田さん、戦型予想はどうですか?

折田 藤井棋聖が先手ですと、最近相掛かりをよく指されていますが、個人的には雁木は見たい、という気持ちはあります。

井上 永瀬王座が先手だと?

折田 予想としては、雁木にしておこうと思います。

小林 雁木は昭和の古い時代からある戦法だったんですよ。ただ、我々が若手のころは矢倉が全盛だったので。

東  (雁木は)消極的戦法と言われていました。

小林 ところが最近、AIの進化で雁木という戦法が見直されたんですよね。だから昔の雁木とはちょっと違います。

井上 確かに、永瀬王座はたまに用いられるイメージがあるので、先手になれば1局目に持ってくる可能性はありますか。

Img_4618(産経新聞観戦記を執筆する東八段)

Img_4622(記録係の折田四段)

東  ふたりの対戦では2局、永瀬王座の振り飛車がありますね。

井上 永瀬王座は戦略家なので、ひょっとしたら。デビュー当時の永瀬王座は振り飛車党でしたからね。三間飛車が多くて。

東  井上先生、代表して戦型予想を。

井上 私は、どちらが先手になっても角換わりにしておきましょうか。東先生は?

東  相掛かりですかねえ。藤井棋聖は盤上探究型で真理を追求するタイプですが、永瀬王座はちょっと勝負にこだわるような、安全な道を選ぶことも多いので、どちらが先手になるかで戦いの内容が変わると思います。

小林 じゃあ、私は大体、大穴狙いなので相矢倉でいこうと思います。では明日、楽しみにしてください。本日はどうもありがとうございました。

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本日のブログ更新は以上となります。
対局は3日(金)9時から開始します。どうぞお楽しみに。

(書き起こし:夏芽、撮影:虹)

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