一夜明けて(2)
記者会見の模様の続きです。
―― 藤井棋聖の将棋を見ていると、相手が渡辺二冠や羽生九段のような大棋士であっても、そうでなくとも、またAIであっても、相手に関係なく盤面に集中しているように感じるんですけど、何か目の前の人がこういう人だからとか、そういうことは関係なく戦われているのでしょうか?
藤井 将棋というゲームは盤上を通してのコミュニケーションというところもありますし、直接的ではないかもしれませんですけど、相手の指し手を見て、こういうのもあるのかと思うところもありますし、対局者によって、それぞれいろいろな発見があるのかなと思います。
―― これまで、実力をつけたいなど、謙虚な言葉を並べられていらっしゃいます。今回、ひとつ目標を達成されて、御自身でどこが一番成長したと思われますか?
藤井 プロになってからこうやってタイトル戦に出る機会ができて、そのなかで自分の課題というのを見つけることができたかなと思います。中盤の指し回しなどは以前に比べたら成長できたかなと思います。
―― 藤井棋聖のような棋士を目指している将棋を頑張っている小学生や、何か夢中になれるものを頑張っている子ども達に向けて、励ましの言葉を。
藤井 自分も好きなことに夢中になったことで、この結果につながったのかなと思いますので、好きになったことを全力で取り組むということを大切にしてほしいなと思います。
―― これからますます戦いが続いていきますが、大勝負のなかでどのようなことを大切にしていきたいと考えていますか?
今回、棋聖戦や王位戦だったり、渡辺先生や木村先生との番勝負は貴重な機会という風に感じていまして、その経験を生かして成長していきたいという思いがあります。
藤井 自分のなかでまだまだ課題が多いと思っていて、対応力を伸ばしていきたいなと思っています。
―― 昨日の将棋で渡辺棋聖は、終盤に意外な手を指された印象だったのですが、藤井棋聖は悪くなったなかで、どのような展開に持っていこうと思われていましたか?
藤井 中盤、渡辺先生のほうに強く攻められて、受けに回る手も合ったかなと思うんですけど、なかなかうまくいく手が見えなかったので、先手になんとか嫌みをつけてということでした。(以上、記者会見内容)
以上が記者会見の模様でした。
(潤)