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2018年6月

2018年6月16日 (土)

羽生棋聖が制して1勝1敗に

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81手で羽生棋聖が制しました。終局時刻は18時14分。消費時間は、▲羽生3時間30分、△豊島3時間55分。シリーズ成績は1勝1敗になりました。第3局は6月30日(土)静岡県沼津市「沼津倶楽部」で行われます。

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急転直下

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盤上に大きな動きがありました。羽生棋聖の▲5二角(69手目)で後手玉が寄り筋に入っているとのこと。ここから△4二金打▲4三桂△同金左▲4一飛成△同金▲4三角成(参考図)と進むと、後手玉は上を押さえられて一手一手の寄りです。控室では松尾八段が頭を抱えていました。急転直下、先手が勝ちに近づいています。

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次の一手は

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飛車を逃げながら角取りの▲3八飛(63手目)。大盤解説会で高見叡王が「飛車を寄らなかったら帰ります」と話していた本命の手です。ここで次の一手が出題されました。候補は(1)△6九銀、(2)△6七銀、(3)△2七角、(4)その他。注目の豊島八段の指し手は△2七角。控室に戻ってきた松尾八段は「角を打ったんですか。あまりおすすめしないと解説してしまったんですが」と意外そうな様子でした。

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羽生棋聖が決戦に持ち込む

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ここまでの流れを振り返ります。羽生棋聖の先手で始まった第2局は、角換わり模様の立ち上がりから豊島八段が△4四歩(10手目)と角道を止めて、雁木模様になりました。

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ツノ銀雁木から腰掛け銀に構えた後手陣に対して、羽生棋聖が4筋から▲4五歩(29手目)と仕掛けます。以下△同歩▲2二角成△同金▲4五銀△同銀▲同飛と進んで、それぞれ角と銀を手持ちにしました。

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流れが変わったのは昼食休憩明け。豊島八段が守りの銀を出たところで、羽生棋聖が▲7一角(47手目)と打って決戦に突入しました。控室で棋譜を並べていた高見叡王は、「先手が望んでこういう戦いにしましたね」と話します。

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駒の取り合いから激しい流れになっていますが、控室の検討陣は「後手がやれそう」との見解。高見叡王は「後手が角銀銀と持っていることが大きいように思います」と話していました。

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お台場

本局の対局地になっているお台場は、江戸時代に「黒船来航」で知られる艦隊に対抗するために台場(砲台)が作られた場所です。6つの台場が作られ、第三台場が台場公園として、第六台場が史跡としてそれぞれ現在に残っています。

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午後のおやつ

15時、午後のおやつが出ました。羽生棋聖は白玉ぜんざい、ホットコーヒー。豊島八段はフルーツ盛り合わせです。

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グランドニッコー東京 台場

対局場の「グランドニッコー東京 台場」は台場駅から徒歩1分、お台場周辺の観光に適したホテルです。棋聖戦に特別協賛しているヒューリック株式会社がオーナーという縁があり、本局の対局場になりました。近くにはフジテレビ本社ビルがあり、おだいばビーチから2つの建物が並んでいるところを見ることができます。

本局で使われている盤は、ヒューリック株式会社の西浦会長が所有するもの。前夜祭で西浦会長は、「高校生のときに二段を取った」という話を披露していました。

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大盤解説会始まる

14時、現地大盤解説会が始まりました。開始時点で立ち見が出るほどの盛況ぶりです。解説の高見叡王が緊張からか指示棒を逆に持ち、聞き手の山口恵女流二段に指摘される場面も。2人の息の合ったトークに、会場は早くから盛り上がっていました。

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意外な動き

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昼食休憩が明けてから指されたのは△5四銀(46手目)。攻めの銀が5筋の歩の上に動く形を「腰掛け銀」といいますが、これは4三の地点にいた守りの銀が出てきたもの。意外な動きに、控室の佐藤康九段は「これは驚きの手ですね」と話しています。午後になって、控室には佐藤紳哉七段が訪れています。さっそく、松尾八段と検討を始めていました。

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対局再開

13時少し前、羽生棋聖、豊島八段の順に両対局者が続けて対局室に戻りました。豊島八段は朝にはしていなかった耳栓をしています。手元には懐中時計を置いていました。

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