―― 今日は最新の角換わりになりましたが。
羽生 予定の作戦で、千日手模様を打開できるかどうかという感じです。△5一飛と待たれると、こちらもピッタリした手がないので、作戦的に 問題があったかもしれません。
―― 途中で▲9八香とされましたが。
羽生 一手様子を見たというところなのですが、こちらも指す手がわからなかったので。実戦は端を詰められて、とがめられたので……。
―― ▲4五角のあたりは。
羽生 あそこは自信がなかったですね。ずっと難しいのでしょうが、ちょっとつらいんじゃないかと思って指してました。
―― 勝ちになったと思ったのは。
羽生 ▲5四角と香を取って、何もなければと思っていました。はっきり確信があるわけではないですが。
―― 本局を振り返って感想を聞かせてください。
斎藤 後手番らしく、待つ作戦は予定ではあったのですが。△9五歩と 突けたところは、自信があったつもりです。終盤、攻めあぐねてしまいました。△9六歩と垂らす手が遅かったのかなと。中盤にミスが多かったような気がします。
―― 次に向けて、ひと言いただけますか。
斎藤 普段通り準備をして、作戦を考えたいと思います。
(吟)
▲8三銀(投了図)を見て斎藤七段が投了しました。△8三同玉は▲7二角成以下の詰み。△9五玉も▲8六金△同竜▲同銀△8四玉▲8五飛以下詰んでいます。終局時刻は19時14分。消費時間は▲羽生3時間55分、△斎藤3時間59分。棋聖戦五番勝負第2局は羽生棋聖が勝利。連勝で防衛まであと1勝としました。第3局は7月1日(土)、静岡県沼津市「沼津倶楽部」で行われます。