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2017年4月

2017年4月25日 (火)

挑戦者・斎藤慎太郎七段へのインタビュー

インタビュー

── 今日の一局を振り返っていかがでしたか?
斎藤 横歩取りはやっぱり序盤が大きいので、どれぐらい研究できているかというところはありますが、本局はちょっと予定外の将棋になってしまいました。

── 具体的には?
斎藤 最初の▲6八玉(17手目)の可能性が少ないと言いますか、糸谷さんが指されていなかったので。局面としては▲3三角成(33手目)△同桂▲2九飛で、次に▲5六角と▲2三角を見せられて、忙しい将棋になったと感じていましたが、△5五角(36手目)を発見できましたので、そこからはずっと難しい局面で頑張れたかなと思いました。

── 途中は消費時間に大きな差がありました。
斎藤 そうですね。そこが本局でいちばん苦しかったですね。32手目△7四歩に51分、36手目△5五角に47分と、ここでだいぶ削ってしまったのは勝負として反省点ですね。△7四歩の時点で△5五角の筋は読んでいたのですが、改めて嫌な筋が見えてしまって。この辺りが終盤でもつれてしまった原因なのかと思います。

── 決勝トーナメントを振り返っていかがですか?
斎藤 この決勝トーナメントは苦しい将棋が多かったのですが、幸運にも勝ち上がることができまして、その中でいろいろと課題が多く見つかったと言いますか、本局では持ち時間(4時間)の配分ですし、ここまでも内容に問題がいっぱいありましたので、開幕までに強くなれるように勉強したいなと思います。

── 羽生棋聖への五番勝負に向けての抱負をお願いします。
斎藤 子ども頃から見てきた羽生先生と、タイトル戦で対戦できるのはもちろん光栄なことですが、「勝負」ですので、できる限りの対策をして伸び伸びと指したいなと思います。やはり羽生先生はタイトル戦の経験がすごいですから、いまは臆する部分もありますが、開幕の第1局までにはそれをなくし、自信を持って指したいと思います。

斎藤七段


以上で本日の更新を終了いたします。第88期棋聖戦五番勝負も引き続き、当サイトでお楽しみください。本日はご観戦ありがとうございました。

(夏芽)

第88期棋聖戦五番勝負の日程

本日の対局の結果、第88期棋聖戦の挑戦者は斎藤慎太郎七段に決まりました。羽生善治棋聖との五番勝負の日程は以下の通りです。

  • 第1局 6月1日(木) 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」
  • 第2局 6月17日(土) 愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」
  • 第3局 7月1日(土) 静岡県沼津市「沼津倶楽部」
  • 第4局 7月11日(火) 新潟県新潟市「高島屋」
  • 第5局 7月19日(水) 東京都千代田区「都市センターホテル」

(夏芽)

感想戦

感想戦

斎藤七段

斎藤七段

糸谷八段

糸谷八段

(夏芽)

終局直後

終局直後
(終局直後の様子)

斎藤七段
(初のタイトル挑戦を決めた斎藤慎太郎七段)

糸谷八段
(糸谷哲郎八段は終盤で流れを引き寄せたが勝ちきれなかった)

(夏芽)

挑戦者は斎藤七段

Kisei201704250101_136

136手で斎藤七段の勝ちとなりました。終局時刻は19時11分。消費時間は▲糸谷3時間8分、△斎藤3時間59分。

(飛龍)    

退路封鎖の銀

その後、手が進んで、斎藤七段がいきなり△9八銀と打ち込みました。この銀打ちが先手玉の逃げ道をふさぐ一手で、▲同香なら△8五歩▲9六玉△8六金以下の詰みがあります。詰将棋を得意とする、斎藤七段らしい鋭い一着です。

△9八銀

(夏芽)

一分将棋

△8二香

△6四馬以下、数手進んで△8二香まで進みました。この香の王手に対し、8筋に歩が打てない糸谷八段は、▲8五銀△6三角▲8四角と2枚の駒を投入してしのいでいます。この受けが粘りのある順のようで、控室では「逆転模様」との声が出始めています。ここで斎藤七段が一分将棋に入りました。

▲8四角

糸谷八段

斎藤七段

(夏芽)

ねじり合い

▲3一飛以下、△3七歩成▲6八玉△4七と▲7七玉△5五角▲6六歩△5四金▲5六歩△1九角成▲3三飛成△6四馬と進みました。互いに崩れず、力のこもった攻防が続いていますが、検討陣は「まだ斎藤七段がリードしている」との見解です。

△6四馬

(夏芽)

流れが変わる

△6三銀打以下、▲8三角成△7二銀▲7四馬△3三銀▲3一飛と進みました。先ほどまでと攻守が入れ替わり、糸谷八段が攻める展開になっています。

▲3一飛

対局室

(夏芽)

残り2分

▲7四角以下△6一玉▲2五飛△6三銀打と進みました。この時点で斎藤七段は残り2分、対する糸谷八段はまだ1時間41分を残しています。

△6三銀打

(夏芽)

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