挑戦者・斎藤慎太郎七段へのインタビュー
── 今日の一局を振り返っていかがでしたか?
斎藤 横歩取りはやっぱり序盤が大きいので、どれぐらい研究できているかというところはありますが、本局はちょっと予定外の将棋になってしまいました。
── 具体的には?
斎藤 最初の▲6八玉(17手目)の可能性が少ないと言いますか、糸谷さんが指されていなかったので。局面としては▲3三角成(33手目)△同桂▲2九飛で、次に▲5六角と▲2三角を見せられて、忙しい将棋になったと感じていましたが、△5五角(36手目)を発見できましたので、そこからはずっと難しい局面で頑張れたかなと思いました。
── 途中は消費時間に大きな差がありました。
斎藤 そうですね。そこが本局でいちばん苦しかったですね。32手目△7四歩に51分、36手目△5五角に47分と、ここでだいぶ削ってしまったのは勝負として反省点ですね。△7四歩の時点で△5五角の筋は読んでいたのですが、改めて嫌な筋が見えてしまって。この辺りが終盤でもつれてしまった原因なのかと思います。
── 決勝トーナメントを振り返っていかがですか?
斎藤 この決勝トーナメントは苦しい将棋が多かったのですが、幸運にも勝ち上がることができまして、その中でいろいろと課題が多く見つかったと言いますか、本局では持ち時間(4時間)の配分ですし、ここまでも内容に問題がいっぱいありましたので、開幕までに強くなれるように勉強したいなと思います。
── 羽生棋聖への五番勝負に向けての抱負をお願いします。
斎藤 子ども頃から見てきた羽生先生と、タイトル戦で対戦できるのはもちろん光栄なことですが、「勝負」ですので、できる限りの対策をして伸び伸びと指したいなと思います。やはり羽生先生はタイトル戦の経験がすごいですから、いまは臆する部分もありますが、開幕の第1局までにはそれをなくし、自信を持って指したいと思います。
以上で本日の更新を終了いたします。第88期棋聖戦五番勝負も引き続き、当サイトでお楽しみください。本日はご観戦ありがとうございました。
(夏芽)