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2016年7月

2016年7月31日 (日)

解説会情報

第5局の開催にあわせて、各地で大盤解説会が行われます。

■現地

日時:8月1日(月)14:30~終局まで
会費:2,500円(ワンドリンク付き)

■東京・将棋会館

日時:8月1日(月)16時30分開場、17時開始
入場料:
 一般 2,000円
 支部・女性・学生・60歳以上・障害者 1,500円
 全席自由(立ち見もできます)
 途中、次の一手の出題あり(正解者には呈賞)
 ※道場入場者は当日の手合カード提示で500円割引
 ※次の一手終了後の入場は500円割引
 (上記割引サービスの併用はできません)
 ※解説会割引券を使用するとさらに200円割引
 ※サイン会はございません
解説者:村山慈明七段
聞き手:井道千尋女流初段
お問い合わせ:
 〒151-8516 渋谷区千駄ヶ谷2-39-9
 日本将棋連盟道場 TEL 03-3408-6167(道場直通)

Tokyo

http://dojo.shogi.or.jp/event/index.html#kaisetsu_87kisei_05

■関西将棋会館

日時:8月1日(月)
料金:
 一般 1,500円(道場入場者1,000円)
 支部 1,200円(道場入場者700円)
 65歳以上・大学生 1,200円(道場入場者700円)
 高校生以下・女性・身障者 1,200円(道場入場者700円)
解説者:北浜健介八段
聞き手:北村桂香女流初段

Kansai

http://www.shogi.or.jp/kansai/club/kaisetsukai.html

(文)

見どころ解説

両対局者が退場すると、屋敷九段と三浦九段による見どころ解説が行われました。

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三浦 ちょっと聞きたいのですが、明日はどちらが勝つんですか。
屋敷 それは三浦先生に語っていただかないと。私は先ほど、あいさつを担当したので、勝利予想は三浦九段に。
三浦 では当てますよ。永瀬さんのあいさつは棒読みっぽくなかったですか。あと、検分しましたよね。盤が光って見えるといってましたよね。ずいぶん神経質になっていたような気がします。
屋敷 第3局に中断したというのがありましたよね。三浦さんの兄弟子(藤井猛九段)が立ち会いをしていたときに。光の具合は気になるみたいですね。
三浦 羽生さんは慣れているというか。泰然自若というか。
屋敷 羽生さんはいつも、あんな感じですよね。

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三浦 明日、永瀬さんが勝ったら、それだけ集中して勝負に徹していると。永瀬さんが負けた場合は、神経質になって気負っているから、それが敗因だと。どっちかだと思います。
屋敷 それは誰でもわかります。どっちですか。どっちに作用すると思いますか。
三浦 まあ、それは。そういえば高島屋さんは、最終局とかいろいろ歴史がありますよね。確か屋敷先生が、中原先生からタイトルを獲得されたのが?
屋敷 そうですね。中原誠棋聖と戦いましたね(第56期棋聖戦五番勝負)。もう26年たっていますが(当時の棋聖戦は年に2回、五番勝負が行われていた)。
三浦 こちら(高島屋)が最終局でしたよね。いまでも破られていない史上最年少タイトルホルダーですね。
屋敷 ありがとうございます。自分じゃいいにくかったので(笑)。三浦さんもありましたよね。七冠を崩した男ということで。そういった意味で歴史は動いています。
三浦 ということは……。
屋敷 おおっ。ということは。
三浦 ただ、そういったことを跳ね返してきたのが、羽生さんですから。明日の振り駒も注目ですよね。
屋敷 振り駒はたしか三浦三段です……。ああ、後ろにいますね。
三浦 今回のシリーズは後手番が勝っていますよね。
屋敷 第1局が千日手になって。指し直しで永瀬さんが先手で勝って。以降は後手番が勝っています。
三浦 でも後手を好きな人はいないですよね。
屋敷 ほぼいないと思います。
三浦 戦型の予想をしましょう。永瀬さんが後手なら横歩取り。永瀬さんが先手のとき、そこで羽生さんが何を指すか。
屋敷 第4局はびっくりしましたね。中原流急戦矢倉、20年くらいぶりに見た気がします。
三浦 永瀬さんは物心ついていたかどうか、というころでしょうね。そういったことを考えて「これ知らないでしょう」という、古い将棋が出てくるかもしれません。

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三浦 横歩取りは先手は避けにくいでしょう。
屋敷 羽生さんは避けないでしょう。
三浦 では羽生さんが後手になったら、面白い戦型が見られそうということですね。
屋敷 マニアックな形が見られるかもしれません。終盤はどちらも強いですから。
三浦 といったまとめで、許していただければ(笑)。

(書き起こし=吟、写真=文)

前夜祭の料理

前夜祭では種々の海産物や野菜を使った料理が運ばれました。宿の名前を冠した「高島屋」という日本酒は、キリッとした飲み口とさらりとした飲みやすさが特徴。夏にぴったりのお酒です。

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■酒菜
栄螺酒蒸し、玉蜀黍進丈、藤豆胡麻和え
時鮭南蛮漬、木海月、じゃいも、赤黄パプリカ、玉葱、白髪葱
烏賊、糸瓜、三葉、生姜、いくら、二杯酢
豆乳ゼリー寄せ、山葵、枸杞乃実、セルフィーユ、汁

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■煮物
牛肉柔煮、辛子、才巻海老、じゃがいも、木乃葉南瓜、小茄子、青梗菜、白髪葱、木乃芽

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■御碗「清汁仕立」
蓮根餅、冬瓜、松茸、蓴菜、芽葱、柚子

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■お造り
鯛、あら、鮪

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■焼物
のど黒塩焼、時鮭幽庵焼、新生姜当座煮、煮梅、すだち

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■お食事
じゃこ御飯、香乃物、味噌汁

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■水菓子
メロン

(文)

花束贈呈、決意表明

両対局者には地元の子どもから花束が贈られました。花束贈呈のあとに、両対局者は決意表明を行いました。

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■羽生善治棋聖

「皆さんこんばんは。今日はたくさんの方にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。棋聖戦を主催されております産経新聞社の皆さま、会場をご提供いただきました高島屋さま、そして地元の関係者の皆さまに厚く御礼を申し上げます。

こちらではいままで数多く棋聖戦の対局が行われてきました。すっかりタイトル戦の場所として定着していると思っております。安心して明日からの対局に集中できるのではないかと思っています。ここに来ると、地元の出身の原田先生を思い出すことが多くてですね、ご存命のころは必ずといっていいくらい立会人をしていただきまして、果てしなく喋り続けるということが懐かしく思い出されます。将棋の世界は長い歴史と伝統があって、原田先生はそれを非常に大切に引き継がれてきた先生だと思っています。私自身も少しでも近づけるように、一生懸命頑張りたいと思っています。明日の対局においても、自分なりの力を振り絞って、いい将棋が指せたらいいなと思っております。皆さまには大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」

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■永瀬拓矢六段

「皆さまこんばんは。本日はたくさんの方々にお越しいただき、誠にありがとうございます。新潟は、水も、お米も、魚介も、すべておいしいとうかがってきました。今日、実際に来て、それが本当だったと感動しております。明日は五番勝負最終局となります。約2ヵ月間、本当にあっという間でした。明日は自分の力を出しきり、悔いのないよう、しがみついていきたいと思っております。産経新聞社さま、関係各位の皆さま、どうぞよろしくお願いいたします」

(文)

前夜祭開幕

18時から前夜祭が始まりました。乾杯には、金属で作られた酒器と地元の日本酒が用意されました。燕市では、市で製造された金属酒器でお酒をおいしく楽しもうという、「燕市金属酒器乾杯運動」を展開しています。

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■歓迎あいさつ

大上喜彦・新潟市西蒲区長

「西蒲区長の大上です。歓迎のごあいさつを申し上げます。西蒲区岩室温泉高島屋におきまして、全国が期待している歴史ある棋聖戦が行われますことは、高島屋さんをはじめ、岩室温泉、ひいては西蒲区の誇り、名誉であります。開催にあたりましてご尽力賜りました産経新聞社さまをはじめ、関係各位のご尽力に改めて御礼申し上げます。羽生棋聖ならびに永瀬六段におかれましては、ようこそ西蒲区岩室温泉高島屋においでくださいました。西蒲区民を代表しまして、心より歓迎申し上げます、高島屋さんでは昭和58年、第42期棋聖戦(五番勝負第3局、中原誠棋聖-森安秀光八段戦、肩書は当時)が初めとうかがっております。今後も回を重ねていっていただければと思います。

新潟の奥座敷である岩室温泉は300年余の歴史がありますが、その中で高島屋さんは250年の歴史を持つ、伝統を誇る旅館のひとつです。江戸時代の庄屋のお宅を生かした建物は、国の登録有形文化財に指定されております。明治11年に明治天皇陛下がお立ち寄りになったという、由緒ある建物でございます。高島屋さんでは、新潟の米、野菜、魚、澄んだ水と空気を生かした、日本の伝統的な料理をいただける。日本の花鳥風月を尊ぶ慈しみの心と、手間暇を惜しまない繊細な技を使って一品一品、心を込めて作っていただいております。今日ご参集の皆さまも堪能していただけるものと思います。

西蒲区は自然が豊かでございまして、きれいな水と空気を利用して、区で5つの造り酒屋がございます。さらに全国で第一号の地ビール『エチゴビール』をはじめ2つの地ビールがあり、そして5つのワイナリーで素晴らしいお酒が作られております。旧巻町におきましては、駒の書体にあります菱湖書の書家、巻菱湖の出身でして、棋聖戦が行われることに、目に見えないご縁を感じているところでございます。

明日は対局がございますが、ぜひ西蒲区、岩室温泉のおもてなしの心を楽しんでいただければと考えております。明日の対局が歴史に残る素晴らしい対局になりますことを祈念申し上げます」

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■歓迎あいさつ

鈴木力・燕市市長

「第87期棋聖戦第5局の前夜祭が高島屋さんで盛大に開催されますことを、お祝い申し上げます。新潟市での開催になぜ燕市の市長が来るか。表向きには、日本将棋連盟会長であった原田泰夫九段の出身地が燕市ということ、この高島屋さんの女将が燕市出身ということ。また燕市の小中学生が花束贈呈の役目を仰せつかっているということで、保護者としてやって来た次第でございます。実は根っからの観戦する将棋ファンでございまして、高校生のときに大山康晴十五世名人の講演を聞いて以来、指さないんですけれども、将棋が非常に好きになりました。そういうことを女将が聞きつけて、今年もどうぞと、お誘いいただきました。

将棋界注目の一戦ではないかと思います。羽生棋聖は第4局に勝ってこの高島屋対局を決めました。永瀬六段は若手のホープです。立ち会いの屋敷伸之九段は最年少で棋聖を獲得しまして、三浦弘行九段は羽生七冠から棋聖を奪った棋士でございます。最高の舞台が整いました。歴史に残る対局を期待したいと思います。

高島屋さんは燕市が進めている金属酒器推進運動の登録加盟店でございまして、お酒が非常にまろやかになる金属の器で、地元のお酒を堪能できます。この燕市で作られた器でおいしいお酒を飲んでいただき、楽しいひとときを過ごしていただければと思います」

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■主催者あいさつ

小川記代子・産経新聞東京本社編集局文化部長

「皆さまこんばんは。棋聖戦第5局の前夜祭に足を運んでくださり、ありがとうございます。関係各位の皆さまにご尽力いただいたことを感謝申し上げます。第5局が開催されまして、接戦になりました。羽生棋聖、永瀬六段はどう思っているかわかりませんが、見ている側は手に汗握る展開になっております。昨年も決着局の第4局をこちらで行わせていただきました。あの日も相当に暑かったですね。新潟は雪国ですよね。もう暑いというイメージしかございません。今日も暑いです。明日はこの新潟から、全国の将棋ファンに熱さを送ってみようではないかと思っております」

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■主催者あいさつ

日本将棋連盟 屋敷伸之九段

「棋聖戦第5局の立ち会いを務めます、日本将棋連盟棋士の屋敷伸之です。前夜祭にお越しいただきまして、ありがとうございます。87期に渡って棋聖戦を主催していただき、また新聞紙上で盛り上げていただいています産経新聞社、誠にありがとうございます。高島屋さんの対局室は非常に立派でして、先ほどお話にありました原田泰夫九段の、『名局の宿』という立派な掛け軸があります。立派な対局場を提供していただきまして、ありがとうございます。こちらの会場では大盤解説会で三浦九段の素晴らしい解説とトークをお楽しみいただけると思います。現地に来られない方は、棋聖戦中継サイトでのネット中継や、ニコニコ生放送の阿久津八段の解説があります。いろいろなメディアで棋聖戦をお楽しみいただけると思います。後日には、観戦記が産経新聞紙上に掲載されますので、ご注目いただければと思います。明日は世紀の一戦を皆さんと楽しみたいと思っております。よろしくお願いいたします」

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■乾杯

本間雅榮・岩室温泉自治会副会長

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扇子に揮毫

検分を終えた両対局者は、第5局開催の記念に揮毫をしました。羽生棋聖は「一歩千金」、永瀬六段は「不倒」という言葉を選んでいます。

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検分

16時40分から検分が行われました。本局で使われる盤と駒は、地元の愛棋家の方が提供したもの。駒は竹風師作、菱湖書の盛上駒です。駒をすべて並べたあと、永瀬六段から「盤が光って見える」と申し出があり、照明の明るさを落として対応しました。

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休憩

現地に到着した一行は、ロビーで休憩を取りました。

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新潟に移動

両対局者と関係者は、13時40分東京発の「とき」323号に乗って新潟に移動。燕三条駅からはバスに乗り換えて、高島屋を目指しました。

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五番勝負第5局は「高島屋」で対局

羽生善治棋聖に永瀬拓矢六段が挑戦する第87期棋聖戦五番勝負は、両者譲らずフルセットを迎えました。羽生棋聖が防衛するか、永瀬六段が奪取するか。運命の第5局は8月1日(月)、新潟県新潟市「高島屋」で行われます。立会人は屋敷伸之九段、副立会人は三浦弘行九段、記録係は三浦孝介三段(島朗九段門下)。ニコニコ生放送の解説は阿久津主税八段、聞き手は中村桃子女流初段です。

インターネット中継は棋譜・コメント入力を吟、ブログを文が担当します。

【将棋 - 産経ニュース】
http://www.sankei.com/life/newslist/shogi-n1.html

【岩室温泉 高志の宿 高島屋|泊まれる料亭 露天風呂付客室の宿】
http://www.takasimaya.co.jp/

【ニコニコ生放送】
http://live.nicovideo.jp/watch/lv268969831

(文)

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