(タイに戻した羽生棋聖。自己ワーストの公式戦6連敗、対永瀬戦の4連敗を止めた)
【羽生棋聖の談話】
--お疲れ様でした。羽生棋聖、本局を振り返っていかがでしょうか。
羽生棋聖 通常の形より手損しているので、序盤はあまり面白くないかなと。
--第1局の指し直しとは、△6四角で手が変わりました。
羽生棋聖 そうですね。△6四角も指したことある形なんですけど、いろいろ考えているうちにあまりよくない順を選んだかもしれないです。
--先手の▲9八香に41分で△4二銀、続く▲5四歩に△同金と取られました。
羽生棋聖 思わしい手が見つからなかったので、勝負手のつもりでした。金を先に取られるのでちょっと苦しいと思っていましたけど。
--△4七馬▲5一金から飛車の取り合いになりました。
羽生棋聖 それだとどういう感じになるか、よくわからなかったので。一直線の感じにはならないのかなと思ったんですけど。
--どのあたりで勝ちだと思われましたか。
羽生棋聖 △6六桂のところはいけるかなと
--これで1勝1敗のタイで三番勝負になりました。これは大変聞きにくいことですが、自己ワーストの公式戦6連敗を止めました。
羽生棋聖 とりあえず連敗が止まってよかったです。また次も頑張ります。
【永瀬六段の談話】
--中盤で▲5八飛と回ったあたりはいかがですか。
永瀬六段 ▲3八飛と迷ったんですけど、7九角が生きるのは▲5八飛かと思いました。△4二銀と指されて流れが急になって、△5八馬の局面は思わしい手がなかった。▲6八金引の局面はだめだと思いました。
--1勝1敗、改めて三番勝負になりました。
永瀬六段 まだ教われるので、頑張りたいと思います。
(紋蛇)
棋聖戦五番勝負第2局は羽生棋聖が制し、シリーズ成績を1勝1敗のタイにしました。同時に公式戦連敗を6で止めています。終局時刻は18時53分。消費時間は▲永瀬3時間59分、△羽生3時間51分。
図は▲2五桂に△5八歩成と攻めたところ。ニコニコ生放送の阿部光六段は、▲5八同金△同馬▲3三桂成△同桂▲1三銀を指摘していました。
7九角が働いているので、△1三同香には▲1一銀△3二玉▲1三角成が狙いになります。後手玉が危険になるので、△5八歩成は自玉のリスクを見切っていないと指せない手。羽生棋聖、鋭く踏み込みました。
(紋蛇)