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2012年6月

2012年6月23日 (土)

フォトギャラリー

対局室のある3階通路には、季節に合わせたホテルフォレスタの魅力を伝える写真がある。昨年に行われた第2局の様子、とよたふれあい将棋フェスティバルの様子を写した写真が展示されていた。

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戦いはいつ起こる?

本局の戦型は「いかに自分だけいい形を作って戦いを起こすか」がテーマで、戦いが起こるのはしばらく先になりそう。10時過ぎ、控室では定跡の確認のような雰囲気で継ぎ盤が動かされている。

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(左から室田女流初段、村田女流二段、杉本七段)

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(主催紙の取材を受ける豊島七段)

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(左から澤田四段、石田九段。本局の棋譜を並べている)

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午前のおやつ

10時、対局室におやつが運ばれた。メニューは羽生棋聖がコーヒー、中村六段はフルーツの盛り合わせとアイスティー。

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(中村六段が注文したフルーツの盛り合わせ)

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戦型は角換わりに

_32初手から▲2六歩△8四歩▲7六歩と進み、後手番の羽生棋聖に戦法の選択権が委ねられた。そして角換わりに進む。△6五歩(図)はスキをなくして相手に仕掛けにくくする作戦で、後手は徹底待機の方針だ。この形では、先手がいかに後手の最善形を崩すか、という展開になる。そのために「相手が駒を動かしたくない局面で手番を渡す」というやり取りが続き、一直線には進まない。


_44左図がこの形におけるテーマ局面で、後手の最善形でもある。先手がここで仕掛けるのは得策ではなく、後手の形を崩すためにパスを使う手法が提案された。たとえばここから▲2六飛△4二金引▲2七飛△4三金直▲2九飛と進むと、局面は同じだが手番だけ後手に渡した格好になる。すると後手は最善形を崩さざるを得ず、先手からの仕掛けが視野に入ってくるわけだ。まるでパズルのような一面もある、特殊な戦型である。


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対局開始

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両対局者、入室

8時50分、中村六段が入室。続いて53分に羽生棋聖が入室した。両者揃って礼を交わし、対局の準備が始まった。

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ニコニコ生放送解説は高橋道雄九段

本日のニコニコ生放送解説を担当するのは高橋道雄九段、中村桃子女流1級の師弟コンビ。生放送では対局室の様子も映し出される。どうぞお楽しみに。

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五番勝負第2局は本日9時開始

対局開始は9時。対局室では記録係の三宅三段が駒を磨いていた。

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2012年6月22日 (金)

明日の見どころ解説

対局者が退場した後、立会人らと明日のイベントに参加する棋士が登壇した。室田女流初段による紹介があり、石田九段、杉本七段、豊島七段、室田女流初段の四人で明日の見どころ解説を行った。

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(司会から、室田女流初段が囲碁棋士の井山裕太十段と先月5月24日に結婚したことがアナウンスされる。5月24日は二人の誕生日だ)

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石田 中村挑戦者のことは豊島七段の方が詳しいでしょう。とにかくフレッシュな戦いですからね。いつも挑戦者というと八段や九段がなっていることが多いのですが、今回は六段ということで、彗星のごとく現れて、それがまた歌舞伎役者にしたいようないい男で。これで挑戦者が勝つと、女性ファンが増えるのかなと、そういった観点からしか見ていませんので(笑)。中村さんの棋風などについては豊島七段に聞いたほうがよさそうです。
豊島 そうですね。棋風についてはすごい攻め将棋だと思います。性格と同じように、将棋も非常にさわやかな印象です。

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杉本 中村さんはデビュー当時は振り飛車党だったのですが、最近は居飛車一辺倒で、振り飛車党の私からするとちょっと面白くないのですが(笑)
石田 中村さんと2~3年前でしたかね、1局だけ指したことがあるんですよ(注:▲石田和雄九段-△中村太地四段戦、2008年9月、王座戦、段位は当時)。そのときは私がすばらしくうまく指しちゃってね。ただ大学を卒業して将棋一本に集中して、すごい勝率を挙げたというのは風の便りに聞いています。

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豊島 中村さんは横歩取りが強く勝率が高いのですが、その横歩取りになるかどうかは羽生棋聖が選択権を握っていますので、羽生棋聖が中村さん得意の形に誘導するか、他の形を選ぶのかがポイントだと思います。
杉本 私も同じ意見で、横歩取りになる確率が80パーセントくらいあると思います。
室田 私も横歩取りかなと思います。ただ中村さんは昔、振り飛車も指していたということなので、振り飛車を指してくれたらうれしいなと思います。
石田 ここで挑戦者が勝つと流れが変わりますから。中村さんは明日は背水の陣で臨むのではないかと思っています。

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対局者挨拶

花束を贈られた両対局者は、明日の対局に向けた思いを語った。

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■挑戦者・中村太地六段
「こんばんは。今回はこのような素晴らしい前夜祭を開いていただきありがとうございます。関係者の皆さまには厚くお礼申し上げます。ホテルフォレスタには昨年のリコー杯女流王座戦で来て以来、2度目になります。そのときはまさか1年も経たずして対局者として、またこうして来ることができるとは思いませんでした。本当にうれしく思います。明日は自分の力を出し切って、皆さまに面白いと思ってもらえるような将棋を指せるようにがんばります」

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■羽生善治棋聖
「どうも皆さまこんばんは。第83期棋聖戦第2局の前夜祭をこのように盛大に開催いただきまして、ありがとうございます。いまは梅雨という感じですが、今日は日差しが強く夏のように思いました。この緑がたいへんにきれいな場所に来て、『ああホテルフォレスタに来たのだな』と感じております。棋聖戦はもう83期。非常に長きにわたって行われている棋戦なのですが、今回は挑戦者が新鋭の中村太地六段ということで、ここ最近、充実著しい若手の代表格との戦いとなりました。もちろん今までも年齢の違う人と戦ってきましたが、ここまで違う人は初めてかなぁと思います。また新しい世代の考え方や発想も勉強しながら、面白い将棋を指せるようがんばっていきたいと思います。また明日は対局だけでなく将棋のイベントも同時に開催されます。来場されたお客さまに喜んでもらえるような将棋を指せるよう、全力を尽くしたいと思います」

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