カテゴリ

« と金三枚で、先手は稲葉四段 | メイン | 驚愕した理由 »

2009年5月 7日 (木)

前例

1  持ち時間が4時間のため、比較的指し手の進行が早い。すでに、開始から1時間しかたっていないが、既に駒がぶつかり合う局面となっている。戦型は、角換わりへと導かれた。しかも、この将棋は、前例が多く、25手目まで、今年に入ってからも、既に2局の同一型(王座戦:深浦康市王位対及川拓馬四段戦、棋聖戦:深浦康市王位対木村一基戦)が検索された。
 当然のことながら、両対局者は、お互いの研究範囲とばかりに指し進めている。それだけに、どこでどういった手を繰り出すか、即ちどこで前例から外れるかが、一つの見所となるだろう。

 図は、25手目であるが、ここでの大本命が△8六歩。昨年9月の王座戦(対小林裕士六段)で、稲葉四段が先手を持って指しているが、この将棋では、後手の小林裕士六段が△9四歩と指している。そして、先に記した今年の1月13日の棋聖戦(深浦王位対木村八段)では、後手の木村八段は、△1四歩と指している。果たして木村八段の次の一手やいかに?そして、対する稲葉四段の指し手は何か?

 先にも書いたとおり、この局面を研究しているであろうことは、共に薄々は感じているだろう。ただ、どこまで手を掘り下げて研究しているか?そこに敢えて飛込んでゆくことが得か損か?特別対局室の静寂の中、将棋盤を挟み対峙している二人の対局者の間で、表には表れないが、激しい勝負の駆け引きと心理戦が繰り広げられているのだろう。まずは、ここが一つの岐路と言えそうだ。

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===