2012年6月28日 (木)

_83png鈴木女流二段が先手玉を追いつめています。

先手は▲2三歩成△同金▲1五桂が詰めろになりますが、その手がまわってきません。また、仮に▲1五桂が入っても、△3三金と逃げられて詰めろを続けるには駒が足りない。

形勢は後手勝勢。青野九段と中尾五段は図から△9八飛の合駒請求を予想しています。


_76png局面は終盤。互いに駒を繰り出して攻め合いを目指しています。

「(図の)△2六香は厳しい手です。先手は▲2三歩成△同金▲2四歩の攻めがありますが、そこで後手は手抜いて一気の寄せを目指すと思います」(中尾五段)


Fdsc_0024
(勝負手を繰り出して攻め合いを目指した室谷女流初段)

_65png室谷女流初段は▲2四歩(図)と穴熊の急所を攻めました。しかし将来の△2五香が厳しく、▲2三歩成も△2七歩が生じるため、非常にリスクが高い手です。▲2四歩は室谷女流初段の勝負手と言ってもいいでしょう。

対して鈴木女流二段は66手目△4三桂。2枚の桂が3筋と5筋を支えて手厚くなりました。中継室を訪れた青野照市九段は△4三桂を見て「(穴熊らしい)雰囲気が出ているね」と感想を述べました。穴熊が勝ちやすい将棋と評判です。


Hdsc_0001
(中継室を訪れた青野照市九段)
Hdsc_0005
(青野九段と中尾五段は故・廣津久雄九段門下の兄弟弟子)

_63png駒交換が進んで局面が大きく動きました。先手玉は広さ、後手玉は堅さが終盤戦の命綱になりそうです。

駒割りは▲金△桂桂香の交換で後手が駒得。▲5四歩の筋は怖いですが、現状は△7七角成があるので大丈夫。△2六桂や△2六香の攻め筋も残されています。
現局面は勝負どころ。ここをしのげば後手がよくなりそうです。


Gdsc_0016
(鈴木女流二段。図の▲3五歩にどう対応するか)
Gdsc_0012

_47_53

4・5・8筋で歩がぶつかって中盤戦に入りました。1図の▲4五歩は3七桂の活用をみた一手。この桂がさばければ穴熊攻略の道が見えてきそうです。

本譜は1図から△2四角▲2五歩△3三角▲4四歩△同金▲4六歩(2図)と進みました。後手は角の動きで手損しましたが、その代償として▲2五桂を消しました。2六の地点に駒を打つスペースも作っています。先手は4筋の歩がバックしましたが、次に▲4五桂の活用を見ています。味わい深い攻防です。

Edsc_0013
(鈴木女流二段 ※休憩明けに撮影)
Edsc_0027
(室谷女流初段 ※同じく休憩明けに撮影)