カテゴリ「第30期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2017年11月25日 (土)

第4局の興奮から冷めやらぬ中、翌日の25日は9時からファンとの交流イベントが開催されました。まず始めに写真撮影会が行われ、多くのファンが棋士との交流を楽しみました。9時30分から昼頃までは、屋敷伸之九段、佐藤紳哉七段、高浜愛子女流2級による指導対局、トークショーが行われ、そのほかにも大竹竹風駒の展示、駒彫の実演など、多くのイベントで盛り上がりました。

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Imgp1721(渡辺竜王と羽生棋聖にはたくさんの人だかりができた)Imgp1744(屋敷伸之九段)

Imgp1727(佐藤紳哉七段)

Imgp1733(高浜愛子女流2級)

2017年11月24日 (金)

インタビューが終わったあと、両対局者が大盤解説場に移動。大勢のファンの前で一局を振り返りました。

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羽生 序盤から激しい展開になって、角交換からどうなるか、先の見えない展開でした。最後まで際どいと思いました。

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渡辺 終盤で角を取った手が甘かったかもしれません。調べないとわかりませんが、もっといい手があったかもしれません。飛車角を取る間に寄せられてしまいましたが、そこで代わる手があったかというところです。

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20171124imgp1696(勝った羽生棋聖は復位まであと1勝)

【羽生棋聖のインタビュー】

――総括をお願いいたします。

羽生 序盤からずっと微妙な形勢が続いていたような気がしていました。
似たような将棋を昔、指したことがあるんですけど、この形は初めてだったので、
手探りで指していました。

――封じ手の局面のあたりはいかがでしたか。

羽生 かなり漠然とした局面なので、先の展開がずっと見えないような。ただ、こちらはゆっくりできないので攻めていったんですけど、ちょっと細いかなと思いながら指してました。

――控室では△3四角と打ったあたりから徐々にペースなったのではないかといわれていました。
 
羽生 ▲7七歩を打たれたあたりの局面は自信がなかったですが、難しいとは思いますが、はっきりしない展開だったと思います。

――勝ちを意識されたのは。

羽生 最後の最後ですね。

――永世竜王および永世七冠に王手という形になりましたけど。

羽生 全力で指すことに変わりはないですし、いいコンディションで臨みたいと思います。

20171124imgp1697(敗れた渡辺明竜王はカド番に追い込まれた)

【渡辺竜王のインタビュー】

――この一局振り返っていかがですか。

渡辺 あまり例がない将棋だったので序盤は難しかったですね。

――封じ手の▲2四歩を突かれたあたり、強気に見えたと控室ではいわれていました。

渡辺 代案が分からなかったので様子を見たというか、どう指されても大変だと思いました。

――1勝3敗でカド番になりましたが、第5局に向けてどのように臨まれますか。

渡辺 粘り強く指せるよう、頑張りたいと思います。

20171124imgp1698 (インタビューに答える羽生棋聖)

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渡辺明竜王に羽生善治棋聖が挑戦する第30期竜王戦七番勝負第4局は18時50分、104手で羽生棋聖の勝ちとなりました。消費時間は▲渡辺7時間59分、△羽生7時間50分。
この結果、七番勝負は羽生棋聖から見て3勝1敗となり、竜王復位にあと1勝としました。渡辺竜王はカド番です。
第5局は12月4・5日に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われます。
(銀杏)

20171124a_518時頃の局面。残り時間は渡辺竜王が16分、羽生棋聖が28分。

羽生棋聖が優位を拡大し、先手玉に挟撃態勢を築きました。終局近しの雰囲気です。

20171124imgp1695(控室のモニターから。残り5分まで考えて渡辺竜王は▲4四香。着手後、うつむいた)

20171124a_4図は7七の地点で清算したあと、△7六歩と金取りに打った局面。先手玉は薄まり、攻めが続きそうな情勢。後手よしになったと見られています。

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