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第81期棋聖戦五番勝負第3局

2010年6月27日 (日)

羽生棋聖インタビュー

対局から一夜明け、羽生棋聖の棋聖位防衛・三連覇を記念してインタビューが行われた。インタビューに関する記事はこちら

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2010年6月26日 (土)

本日の棋譜

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本局を振り返って、中座七段は次のように語った。「序盤から終盤まで、大変見所の多い将棋だったと思います。深浦王位の積極的な攻めに対し、一歩も引かずに受けて立った羽生棋聖。終盤に入ってからの突然の睨み合い。まるで剣豪の果たし合いを見ているようでした。羽生棋聖の終始落ち着いた指し回しはさすがでした。また、深浦王位の不屈の闘志には感銘を受けました」

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最後までご観戦いただき、ありがとうございました。

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終局後

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(大盤解説場から対局室に戻って感想戦は40分ほど行われた)
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(感想戦後もあらためてインタビューが行われた)

――――対局を終えて

羽生「シリーズを終えて、ひと息つけました」

――――本局は満足行く将棋でしたか。

羽生「先手で守勢になったので構想のところに問題があったかもしれません」

――――名人戦、棋聖戦をストレートで防衛しました。

羽生「特別変わったことはしていませんが、1局1局大切に指したいという思いが強いですね」

(銀杏)

感想戦

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ファンの待つ解説会場へ

両対局者が解説会場に着くと、大きな拍手が会場を包んだ。会場で二人を待っていたのは、「淡路島へようこそ!(淡路島は第2局)」の声。神吉宏充七段が会場に到着していた。お決まりの快活饒舌トークは、終局直後の重い空気をすら吹き飛ばす。短い時間ではあったが、笑いの絶えないひとときをファンにプレゼントした。

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(対局者入場直後から、神吉七段のテンションはいきなり最高潮)

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(盤面をポイントとなる局面に戻す。「時間がありませんので、ササッといきましょー」。焦る中村九段と杉本七段)

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(「羽生棋聖、どうですか?」「……どうでしょう」「なんじゃそりゃ!」)

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(「深浦王位はファンのことを第一に思っていますね。『ファンに申し訳ない』というのはそういうことです」)

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(「羽生棋聖はこう見えて飄々とした人ですよー。『どうですか』に『どうでしょう』で返すんですからね」)

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終局直後

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(終局直後、対局室に報道陣が駆けつける。両対局者の表情は硬い)

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(棋聖位を堂々の防衛。インタビューに答える羽生棋聖)

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(深浦王位。悔しさをにじませる)

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(終局時の盤面。インタビューを終えた両対局者は、ファンの待つ解説会場へと移動した)

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深浦王位、終局直後の談話

――――今日の対局を振り返って

深浦「先攻する形になりましたが、△3九銀が遊び駒になってしまって…」

――――7筋8筋の攻勢はやれると見られたのですか。

深浦「攻める陣形ができたので、仕掛けられないようでは面白くないので思い切っていった」

――――▲2三歩と垂らされて△8二飛と回りましたが、その当たりは

深浦「△4四角と打った手がちょっと…うーん…。そうですね。△7六桂とかドンドンいきたかったので△4四角のあたりからまずくなった」

――――シリーズを振り返って

深浦「力不足でした」

羽生棋聖、終局直後の談話

――――今日の1手損角換わりは予想されていましたか。

羽生「何をやられるかわからなかった。ただ、途中までは最近似た将棋を指したことがあり、もう一度やってみた」

――――昼食休憩後、7筋8筋で戦いが起こりましたが。

羽生「先手番で先攻されることになったので、あまり面白くないと思った。いろいろな角打ちの筋があり、受けるのが難しかった」

――――どこで良くなったと思いましたか。

羽生「▲7三馬(77手目)と寄ったところは指しやすくなったと思いました」

――――五番勝負を振り返った感想をお願いします。

羽生「激しい展開が多く、最後までわからない将棋が多かった」

――――棋聖戦3連覇、通算タイトル77期。通算勝数は米長永世棋聖を抜きました。

羽生「これを一つの励みにして次に進んでいければいいなと思う」

羽生棋聖、ストレートで防衛

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図の▲5二歩を見て、深浦王位が投了を告げた。終局時刻は18時22分。消費時間は▲羽生棋聖3時間26分、△深浦王位3時間57分。羽生棋聖はこれで本シリーズを3-0のストレートで制し、棋聖位を防衛。羽生棋聖は三期連続で棋聖位を維持、三冠を堅持した。

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深浦王位、諦めないが……

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図は深浦王位が3四の歩を払った局面。▲2二歩成なら、そこで△8五角▲8三玉△6三角と金を取ろうということか。しかしそこで▲6一飛から9一の香を取れば、先手玉は入玉確定で寄りがなくなる。この手を見て、中村九段は「気持ちが萎えないねえ。すごいねえ……」とため息のような声を漏らす。残り時間を読まれた深浦王位は、「はい」とはっきりした声で答えていた。

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