両対局者が解説会場に着くと、大きな拍手が会場を包んだ。会場で二人を待っていたのは、「淡路島へようこそ!(淡路島は第2局)」の声。神吉宏充七段が会場に到着していた。お決まりの快活饒舌トークは、終局直後の重い空気をすら吹き飛ばす。短い時間ではあったが、笑いの絶えないひとときをファンにプレゼントした。
(対局者入場直後から、神吉七段のテンションはいきなり最高潮)
(盤面をポイントとなる局面に戻す。「時間がありませんので、ササッといきましょー」。焦る中村九段と杉本七段)
(「羽生棋聖、どうですか?」「……どうでしょう」「なんじゃそりゃ!」)
(「深浦王位はファンのことを第一に思っていますね。『ファンに申し訳ない』というのはそういうことです」)
(「羽生棋聖はこう見えて飄々とした人ですよー。『どうですか』に『どうでしょう』で返すんですからね」)
(文)
――――今日の対局を振り返って
深浦「先攻する形になりましたが、△3九銀が遊び駒になってしまって…」
――――7筋8筋の攻勢はやれると見られたのですか。
深浦「攻める陣形ができたので、仕掛けられないようでは面白くないので思い切っていった」
――――▲2三歩と垂らされて△8二飛と回りましたが、その当たりは
深浦「△4四角と打った手がちょっと…うーん…。そうですね。△7六桂とかドンドンいきたかったので△4四角のあたりからまずくなった」
――――シリーズを振り返って
深浦「力不足でした」
――――今日の1手損角換わりは予想されていましたか。
羽生「何をやられるかわからなかった。ただ、途中までは最近似た将棋を指したことがあり、もう一度やってみた」
――――昼食休憩後、7筋8筋で戦いが起こりましたが。
羽生「先手番で先攻されることになったので、あまり面白くないと思った。いろいろな角打ちの筋があり、受けるのが難しかった」
――――どこで良くなったと思いましたか。
羽生「▲7三馬(77手目)と寄ったところは指しやすくなったと思いました」
――――五番勝負を振り返った感想をお願いします。
羽生「激しい展開が多く、最後までわからない将棋が多かった」
――――棋聖戦3連覇、通算タイトル77期。通算勝数は米長永世棋聖を抜きました。
羽生「これを一つの励みにして次に進んでいければいいなと思う」