2018年12月 4日 (火)

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本局は先手の羽生竜王が矢倉志向の立ち上がりを選びました。千葉七段は序盤の▲7八金(11手目)に注目します。
「飛車先交換を保留していることで、△6四歩と突きにくくしている意味があります。▲2四歩△同歩▲同飛から▲3四飛で歩を狙う筋があるので。本譜は△8五歩を見て▲5六歩でしたが、こういう流れの将棋はこれまでなかったと思います」

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広瀬八段が△5五同角(32手目)と5筋の歩を交換したところで、羽生竜王は▲2四歩△同歩▲2五歩と継ぎ歩で反撃しました。「▲4六銀も自然で、それなら激しい攻め合いになりそうでした」と千葉七段。

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羽生竜王の▲2七角(49手目)が決断の一着で、盤上に大きな動きがありました。飛車の利きを止める位置への角打ちは意表を突きます。千葉七段は「もう少し駒組みが続くのかと思ったんですが……。▲1八角が自然ですが、▲1六角の余地がある分、得ということですね。本局の命運をかけた一手になると思います」と話します。

17時30分、この手を見た広瀬八段が長考に沈んでいます。封じ手の定刻は18時。控室では田中寅九段が封じ手の準備を進めています。

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七尾市は石川県北部、能登半島の東部に位置する市。古くから能登の中心であり、市の名前は、七尾城付近の山の尾根を「松尾・竹尾・梅尾・菊尾・亀尾・虎尾・竜尾」と呼んで、風景を楽しんだことに由来するといわれています。天然の良港である七尾港を有し、漁業、水産加工業が盛んです。

現役の棋士、女流棋士の中では、甲斐智美女流五段が七尾市出身。ほかに石川県出身は、小松市出身の橋本崇載八段、珠洲市出身の井道千尋女流二段、金沢市出身の田中沙紀女流3級がいます。

写真は能登島につながる能登島大橋。石川県で最も長い橋です。

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現地では10時30分から大盤解説会が始まっています。解説は三枚堂六段、聞き手は頼本女流1級。三枚堂六段は記録係の滝口初段について話していました。滝口初段は石田和雄九段門下で、三枚堂六段は石田一門と交流がある棋士です。滝口初段はタイトル戦の記録が今回初めて。記録係を務めるに当たって、先輩にアドバイスをもらったそうです。

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15時になり、両対局者に午後のおやつが出されました。注文は羽生竜王が「ミュゼ、オレンジジュース」、広瀬八段が「ミュゼ、加賀紅茶」。「ミュゼ」は七尾市出身で世界的に活躍するパティシエ・辻口博啓氏によるスイーツブランド、「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」のショコラムースです。

Dsc_68771 (羽生竜王のおやつ)

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Dsc_68841 (広瀬八段のおやつ)

【ル ミュゼ ドゥ アッシュ】
https://le-musee-de-h.jp/

13時30分、対局が再開されました。広瀬八段は再開の少し前、羽生竜王は再開時刻を少し過ぎたところでそれぞれ対局室に戻っています。羽生竜王は「時間になっております」の声に「はい」と答えて、しばらく盤面を見つめたあと、おもむろに手を伸ばしました。

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