2021年7月 9日 (金)

20210709109梶浦七段は▲3六角から一気に迫っています。これがなかなかの迫力で、後手玉はたまらず上に逃げ出しました。上図は次に▲4四角が厳しい狙い。

2021070911222時5分の局面です。△4九角に対して▲3七銀と打ったのがなるほどの一着でした。△3八角成は▲4四角から寄ります。羽生九段は残り3分ほどです。

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202107099820時59分、梶浦七段は前記事△5七銀の局面で▲4三歩成を着手しました。以下△同玉▲4五飛△4四歩▲4六飛△同銀不成と進みます。先手玉に余裕を与えると同時に、後手玉にも余裕ができました。これは局面が穏やかになったといえます。

2021070999_2△4六同銀不成に対し、▲3六角と攻防に角を放ちました。△4五桂や△5四歩などで簡単に止まってしまいますが、梶浦七段はどう手をつなげていくのでしょう。もしこの角が好手なら、△4六同銀成だったということになるのでしょうか。

Dsc_0889(前局の佐藤天彦九段戦との将棋も終盤まで難解な将棋だった。梶浦七段は強豪とも互角に戦える力がある)

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20時30分の局面です。激しい攻め合いのすえに両者とも自玉が非常に危険な状態となっています。もう安住の地はなさそうです。現状は先手玉に詰めろがかかっており、▲6九歩△6六桂▲6七銀打△7八歩が一例として考えられます。絶体絶命に見える先手玉も、▲4三歩成△同玉▲4五飛や、駒をたくわえての▲4三銀から殺到する筋があり、パンチを浴びながらも目は敵玉をにらんでいます。

結論としては、ギリギリの勝負といえるでしょう。俗に「どちらも持ちたくない」といわれる局面です。

Dsc_0908001(ギリギリの勝負をこれまで何度も切り抜けてきた羽生九段。抜け出せるか)

2021070981羽生九段の攻めが続いていましたが、梶浦七段にも期待の一着が出ました。▲4四歩と、4五にいた歩を突いた手が好感触。玉頭を攻めながら2五飛が横に使いやすくなりました。

2021070985激しい攻め合いに突入です。双方とも玉形が危なく、1手のミスが命取りになりそうな状況です。スリリングな戦いを制するのはどちらでしょうか。羽生九段はここで時間を使っています。悩ましそうな様子です。

Dsc_9908(18時30分ごろの千駄ヶ谷。本格的に雨が降ってきていた)