2021年8月 6日 (金)

投了図

決勝トーナメント準決勝▲八代弥七段-△藤井聡太王位・棋聖戦は、96手で藤井王位・棋聖が勝ちました。終局時刻は20時19分。消費時間は▲八代七段4時間11分、△藤井王位・棋聖3時間47分。

勝った藤井王位・棋聖は、挑戦者決定三番勝負に進出です。

2021080684藤井王位・棋聖は角取りを放置して、飛車を取りました。▲7三桂成△同金に▲1八香と手を戻すと、△5七桂が厳しい王手。以下、(1)▲5七同銀は△同歩成▲同金△7七歩成で攻めが止まらず、(2)▲7九玉は△6九飛までの詰み。(3)▲5八玉も△3九飛(変化図)が詰めろ銀取りで受けが困難です。藤井王位・棋聖が勝ちに近づいているようです。
2021080690Img_2318(藤井王位・棋聖が踏み込んだ)

2021080676△6七歩は、「焦点の歩」と呼ばれる手筋で、▲6七同銀は△7七歩成で後手優勢。左右どちらの金で取っても、△5五桂で手が続きます。先手は7筋を突破されずに、被害を最小限で食い止める手段を考えたいところです。19時35分、八代七段の残り時間がまもなく1時間を切ります。記録係の机上に残り時間の早見表が用意されました。

Img_2265(藤井王位・棋聖の攻めを受け止められるか)

2021080670夕食休憩から▲6六歩に△7五歩と進みました。村田顕六段の解説どおり、▲同歩には△同飛が3五の銀取りと△7六歩の桂取りを見て厳しい一着です。
村田顕六段と新聞解説を担当する西川和宏六段は、「先手は3五の銀が浮いていて狙われやすいのが気がかりです。△7五歩は局面をよくしにいった手で、形勢はかなり後手持ちです」と見解を述べています。

Img_2414(西川和六段)

Img_2321(八代七段は苦しい情勢)