カテゴリ「第31期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2018年10月23日 (火)

両対局者の退出後に両立会人の桐山九段と中田功七段による展望が行われました。

Dsc_2509 (明日の展望を語り合う両立会人。左が桐山九段、右が中田功七段)

中田「明日は広瀬さんが先手です。後手の羽生さんに作戦の選択肢があります。角換わりになるんでしょうか。(私は振り飛車党なので)桐山先生に解説をしてもらいたいです」
桐山「私は角換わりの将棋をあまり指したことがないですよ。まずは初手に何を指すか。▲7六歩か▲2六歩かどちらでしょう」
中田「いまは▲2六歩のほうが多いでしょうか」
桐山「羽生さんの2手目にも注目です」
中田「広瀬さんの終盤は独特の感覚ですよね」
桐山「ですので次の一手は3択がいいでしょう」
中田「羽生さんの顔つきがよかったですね。昨日、名古屋で渡辺さん(明棋王)に負けたのによく見えました。広瀬さんは緊張していましたね」
桐山「連敗したらきついから緊張しますよね。タイに戻したいところです」

本日の中継は以上になります。明日の第2局初日もお楽しみに!


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【羽生竜王の抱負】
皆様こんばんは。前夜祭を盛大に開催していただき、誠にありがとうございます。今日こちらに移動してきまして、対局場の宮地嶽神社や観光名所にもなっている光の道を見学してまいりました。歴史的な伝統と由緒のある場所で対局できることを大変うれしく思います。将棋もルール自体は約400年間変わっていませんが、その中で新たな道を見つけていけたらいいなと思っています。

【広瀬八段の抱負】
皆様こんばんは。本日は前夜祭にお越しいただきありがとうございます。こちらの会場に来て、砂浜に砂の彫刻、竜王と書かれた駒が作られていて、とても感激いたしました。宮地嶽神社という由緒ある場所で対局することをひしひしと感じました。光の道を見て一直線に進んでいく姿勢の大事さを教えていただいた気がしました。第1局は東京での対局でしたが、第2局からは全国各地を転戦してまいります。その土地土地の様々なものや空気を楽しみながら、いい将棋を指して、皆様に見てもらえたらと思います。

Dsc_2462001 (巫女さんから両対局者に花束が贈呈された)

Dsc_2444 (左から立会人の桐山九段、羽生竜王、広瀬八段、立会人の中田功七段、記録係の三田三段)


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【藤田和之・読売新聞西部本社執行役員編集局長】
「本紙夕刊で光の道を紹介したばかり。光の道が現れるこの時期に将棋界最高峰の戦いが実現しました」

Dsc_2344 【脇謙二・日本将棋連盟常務理事】
「19歳で竜王になった羽生さんはベテランになったが、将棋はいまも若々しい。振り飛車穴熊でタイトルを取った広瀬さんはいま居飛車の最新形で戦っている。定跡を覆す手が出るのではと期待しています」

Dsc_2364 【原﨑智仁・福津市長】
「宮地嶽神社を会場に選んでいただいたことを感謝いたします。有名なお二人の棋士から子どもたちに温かいまなざしをいただきました」

Dsc_2408 【浄見譲・宮地嶽神社宮司】
「将棋はこの海の向こうのインドから伝わってきた。歴史を有する福津の地で素晴らしい対局を執りおこなってくださることを祈念して乾杯」

18時からぶどうの樹「マル・マーレ」で歓迎前夜祭が行われました。玄界灘に面した海沿いのおしゃれなウェディングレストランで地元福岡の関係者が対局者との交流を楽しみました。

Dsc_2243 (ぶどうの樹・マル・マーレの看板)

Dsc_2242 (玄界灘に面したおしゃれなウェディングレストランが会場に)

Dsc_2258 (砂浜に作られた竜王戦を記念したダイナミックな砂像)

Dsc_2310 (地元の鯛を使ったパエリア)

Dsc_2319 (鉄板焼き用の肉類。福岡は食材の宝庫といわれている)

Dsc_2410 (福津市名物の鯛茶漬け)

福津市内の小学生と中学生が検分の様子を見学しました。終了後には両対局者への質問コーナーが設けられました。ここでは代表的な質問を紹介します。

Dsc_2143 (感想戦を見学したあと質問コーナーが設けられた)

Dsc_2157 (両対局者に純粋な思いをぶつける地元の少年少女)

羽生竜王には「将棋で勝つために最も大切なことはなんですか」と聞かれました。羽生竜王は「難しいこと聞くなぁ」と苦笑いを浮かべましたが、すぐに真剣な表情で「20枚の駒にはそれぞれ役割があります。それぞれが協力をして使われていない駒を作らないように心掛けています」と答えました。
広瀬八段への質問は「将棋が強くなるために他にどんなことをしたらいいですか」でした。大学を卒業している広瀬八段は「学校の勉強を頑張ること。それがいちばん」と模範的な意見を述べていました。

Dsc_2199 (質問後には巨大しめ縄の前で記念撮影が行われた)

2018年10月22日 (月)

両対局者へのインタビューが検分前の対局室で行われました。
検分は用意された3組の駒の中から羽生竜王が選んだものに、広瀬八段が同意して決まりました。詳細は明日の昼食休憩時のブログにて紹介します。

Dsc_2032 (まずは羽生竜王にインタビューが行われた)

Dsc_2047 (続いて広瀬八段にインタビュー。多くの報道陣がカメラを構える)

Dsc_2059 (検分の様子。将棋盤と駒は地元で用意されたものが使用される)

Dsc_2109 (数枚の駒を盤上に出して感触を確かめる)

Dsc_2131 (最後に空調や照明、自然光の具合を確かめて終了した)

神社から玄界灘までまっすぐな一本の道が続きます。1年のうちで2月の1週間と10月のこの時期にしか見ることのできない幻想的な景色があるのです。沈む夕日が一本の道に重なることから「光の道」と呼ばれています。あいにくこの日はうっすらと雲が掛かっていて、くっきりと見ることはできませんでしたが、両対局者は絶景を興味深く見つめていました。

Dsc_1974 (本殿から光の道まで案内される両対局者)

Dsc_1988 (玄界灘まで続くまっすぐな道。この道に夕日が重なるのは年に十数日だけ)

Dsc_2022 (光の道を背に記念撮影。タイミングよく夕日は沈んでいたが、残念ながら雲が掛かっていた)

関係者一行は福岡空港からバスに乗って宮地嶽神社に到着しました。バスを降りてからは境内まで坂道を歩いていきます。宮地嶽神社神職から両対局者に歴史や逸話などの詳しい説明がありました。

Dsc_1847 (景色を見ながら歩く広瀬八段と立会人の桐山九段)

 Dsc_1853 (境内に到着した関係者一行)

Dsc_1878 (宮地嶽神社神職から目線の先に映る巨大しめ縄についての説明を聞く)

Dsc_1892 (重さ3トンの巨大しめ縄を見上げる両対局者)

Dsc_1921 (シンボルのしめ縄を背に記念撮影)

Dsc_1949 (お参りする羽生竜王。広瀬八段よりも時間を掛けてゆっくりと拝む)

両対局者ら関係者一行はJAL315便で羽田空港から福岡空港へ出発しました。同便には昨日、クライマックスシリーズ・セカンドステージを制し、日本シリーズ出場を決めた福岡ソフトバンクホークスの選手たちの姿も見られました。

Dsc_1842_4 (フライトを待つJAL315便)

 

 

羽生善治竜王に広瀬章人八段が挑戦する第31期竜王戦七番勝負第2局(読売新聞社主催、野村ホールディングス株式会社特別協賛、東急グループ、(株)明治のヨーグルトドリンク[R-1]協賛)は、10月23、24日(火・水)の両日に福岡県福津市「宮地嶽神社」で行われます。立会人は桐山清澄九段。立会人・新聞解説は中田功七段。記録係は三田敏弘三段(中田章道七段門下)が務めます。
1日目の対局開始、2日目の封じ手開封は9時。昼食休憩は12時30分~13時30分。封じ手時刻は1日目の18時に手番の棋士が行います。
第1局は振り駒で先手番を得た羽生竜王が角換わり腰掛け銀の激戦を制しました。第2局は広瀬八段の先手番です。羽生竜王が連勝するのか、それとも広瀬八段が初勝利を挙げて1勝1敗のタイに戻すのか。
10月23日(水)11時から宮地嶽神社・開運殿で大盤解説会が行われます。解説者は畠山鎮七段、聞き手は武富礼衣女流初段が担当します。

中継は棋譜コメント入力が八雲、ブログを琵琶が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。