カテゴリ「第30期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2017年7月27日 (木)

20170727b_3久保王将がすさまじい粘りを見せています。玉を左辺に逃げ込み、簡単には寄らない形になりました。とはいえ、後手玉も捕まりにくい格好をしており、勝負の行方は分かりません。

20170727imgp4913_2(久保王将)

20170727a_9久保王将は1分使って▲8二飛と打ち下ろしました。両者の残り時間は9分に並んでいます。局面は最終盤。形勢は後手に分があると見られていますが、久保王将が大きく離されずについている印象です。

20170727a_8△2八飛成と角を取った手に対しては▲同銀が自然と見られていましたが、久保王将は▲同玉と応じました。戦場に近づいて指しづらい手に見えますが、玉の広さを主張しています。解説の勝又六段も感心していました。

20170727a_7松尾八段は飛車交換に応じ、△1六歩と端を攻めました。この手に対して考慮中の久保王将は、残り1時間を切りました。松尾八段の残り時間は51分。▲1六同香に△1八飛が後手の狙いですが、ここで手抜いて▲4五歩もありそうです。

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再開後の指し手は、飛車交換を避ける△8八竜でした。それに対して久保王将は▲7八金と竜を追い返しにいきました。ここで松尾八段が手を止めています。図の局面、竜は引きづらく見えますが、△7九竜▲同金は、夕食休憩時の局面で△7九同竜▲同金とした変化と同じ局面になります。松尾八段の指し手に注目です。

20170727imgp4883 (松尾八段)

18時、この局面で松尾八段が13分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲久保3時間42分、△松尾3時間12分。夕食の注文は、久保王将が「天津丼」(紫金飯店)、松尾八段が「とろろせいろそば」(ほそ島や)。対局は18時40分に再開されます。

20170727imgp4933(天津丼)

20170727imgp4927(とろろせいろそば)

写真は、対局者と同じものを注文して撮影しました。

20170727a_5図は7八にいた飛車を▲7九飛とぶつけた局面。対して△7九同竜▲同金に(1)△5九飛は、以下▲5四桂△同歩▲8六角の王手竜取りの筋があります。途中の△5九飛に代えて(2)△1八飛と打つ筋が有力です。

20170727a_4▲5六銀と上がった手に対して△8六歩と突いた局面がA図。▲8六同歩は△同飛で後手の飛車がさばけるので、いきおい▲1四歩と取り込みました。それに対して△2五桂と逃げる手も考えられましたが、松尾八段の指し手は△8七歩成。駒の損得より速度で敵陣突破を目指しました。

20170727b_215時から将棋プレミアムの実況解説が始まりました。解説を務めている勝又清和六段は、B図で(1)▲1三歩成(2)▲4五歩の変化について解説しており、どちらの手に対しても△7八とが有力と見ています。まだ中盤戦が始まったばかりかと思いましたが、一気に終盤戦へとなだれ込みそうです。

20170727imgp4923_3(大盤解説の休憩時、中継室を訪れた勝又清和六段)