カテゴリ「第29期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2016年7月26日 (火)

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(15時30分頃、田中寅彦九段が中継室に来訪)

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(写真撮影をお願いすると、カメラに向かってニッコリ)

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田中寅九段はどちらのいい分も通っている形で、「面白くなりそうですね」。図では、△6七歩成を受けるために▲6四歩が自然です。

以下、△6五銀は、▲6三歩成△同金▲8四飛で先手よし。△7五銀は有力です。「危険な手だけど、元より危険だからね」と田中寅九段。以下▲6三銀△同金▲同歩成△同飛に(1)▲5四金は有力ですが、△6二飛▲4三金△5一角で次の手が分からない(変化1図)。

(2)▲3三飛成△同桂▲5四角△6二飛▲4三角成△3二銀▲5三馬△6七歩成▲6二馬△5八とは、そこからも正確に指せれば後手が勝つだろうとのことでした(変化2図)。

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続いて、三浦九段です。

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三浦弘行九段

竜王戦成績は通算72勝41敗(0.637)。決勝トーナメント進出は6回目。第18期に挑戦者決定三番勝負まで勝ち上がりました。

今期の決勝トーナメントでは、郷田王将に横歩取り後手を持ち、短手数で快勝しました。

【2016年7月11日 第29期竜王戦決勝トーナメント 三浦弘行九段対郷田真隆王将戦】

http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/29/ryuou201607110101.html

ここで対局者の紹介をいたします。まず久保九段です。

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久保利明九段

竜王戦成績は69勝42敗 (勝率 0.622)。決勝トーナメント進出は8回目。第23期、24期に挑戦者決定三番勝負まで勝ち上がりました。

【第23期決勝トーナメント】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/23/tournament.html

【第24期決勝トーナメント】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/24/tournament.html

今期の決勝トーナメントでは、阿部健治郎七段に中飛車を採用。いっときは苦戦を強いられるものの、終盤での逆転に成功しました。

【2016年7月11日 第29期竜王戦決勝トーナメント 久保利明九段対阿部健治郎七段】

http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/29/ryuou201607080101.html

3214時41分、三浦九段は△5五歩と突きました。この手は前例があり、定説では▲4五銀△2三銀▲6五歩△同歩▲7四歩△同歩▲3六飛(変化図)で、振り飛車のさばきを誘発しているとされています。前述の久保九段-北浜八段もありますが、先手が勝っています。

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それでも三浦九段は挑戦状を突きつけました。結論を書き換えるだけの準備ができているのでしょう。

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(三浦九段は自分が悪くなるとされる定跡に進めた。用意の手はどこにあるか)

本局の観戦記は読売新聞に掲載されます。観戦記者は大川慎太郎さんです。

本日7月26日の読売新聞には青島たつひこさんによる、1組出場者決定戦の▲深浦康市九段-△高橋道雄九段戦の観戦記が掲載されています。

3013時30分頃の局面。駆け引きの末に定跡形になりました。

前例は24局あり、そのうち久保九段は先手を持って5局指しています。次の一手は▲4五銀、▲6五歩、▲9六歩の3通りあります。直近は第27期竜王戦2組昇級者決定戦で、相手は北浜健介八段。▲9六歩△5五歩▲4五銀△2三玉と進みました。

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(以下は▲3六銀△7二飛に▲8六歩△7四歩と開戦。結果は先手勝ち)

Image_35(12時36分、久保九段が対局場に戻ってくる。三浦九段は12時30分には席に着いていた)

Image_36(久保九段は棋譜を確認する)

Image_38(対局再開からしばしの間を置いて、角を持ち、7七に動かした)

Image_37(三浦九段も棋譜を確認)

Image_39(ここで10分以上使っている)

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12時、図の局面で久保九段が9分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲久保1時間11分、△三浦35分。昼食注文は、久保九段はなし、三浦九段は「肉豆腐定食、モチ追加」(みろく庵)。対局は12時40分から再開されます。

Image_26(昼食休憩時の特別対局室)

Image_27(盤面)

Image_29_2(三浦九段は水筒を持参)

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3手目の▲7五歩に対して△4二玉と上がり、角道を止めるタイプの石田流三間飛車になりました。

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11時頃の局面。後手は左美濃に組みました。飛車角を交換する、さばきの将棋になりそうです。▲1六歩から▲1七桂と跳ねて玉頭戦に持ち込む構想もありましたが、その場合は▲2八玉と上がらないほうが反動が小さくなります。

Image_25(初手▲7六歩を指す久保九段)

Image_24(三浦九段の2手目は△3四歩)

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