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2014年7月 7日 (月)

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図は20時頃の局面。消費時間は▲糸谷3時間41分、△三浦4時間1分。
手数は70手を超えていますが、局面は完全に序盤戦の様相です。本局の新聞解説を務める飯塚祐紀七段は「まだ序盤ですね。こういう将棋はいい手を指すより悪い手を指さないことが重要ですね」。さらにいま指された▲4五歩を見て「▲4五歩は大きいですね。後で▲4四歩と突く含みがあります。先手の方がやや模様がいいですかね」と語っています。
気が遠くなるほど長い序盤戦。鬼の根比べです。

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19時を回り対局が再開されました。
三浦九段は再開してすぐに△4五銀としています。これで後手の飛車は7四~2四へと歩越し飛車を解消するルートが開けています。先手の飛車はいまのところ帰るべき場所が見当たりません。従って、後手の飛車を簡単に安住の地に返すわけにはいかないところ。糸谷六段の構想が注目されます。

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18時10分、図の局面で三浦九段が21分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲糸谷3時間10分、△三浦3時間43分。夕食の注文は三浦九段が「みそ煮込みうどん」(みろく庵)、糸谷六段は注文ありません。対局は19時に再開します。

Img_3647夕食休憩中の対局室。三浦九段が残って考えていた。

Img_3660みろく庵のみそ煮込みうどん。

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図の▲3四飛は次に▲2四飛と歩の裏に回り込んで飛車成りを狙っています。しかし、△4五角▲2四飛△2三金で飛車が詰む形。糸谷六段は飛車を切って戦えると見て、▲3四飛を決断したようです。

Img_3557糸谷六段は飛車を詰まされる覚悟で決断の一手を放った。

本局の使用駒は「富月作・菱湖書」。

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富月師は、静岡県富士宮の駒師。タイトル戦などでも多くの駒が使用されています。近年では、昨年度の順位戦A級最終局、静岡市での一斉対局で錦旗書の駒が使用されていました。

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図は14時45分頃の局面。
一気に寄せ合いに突入してもおかしくない変化を含みながらも、ギリギリのところでしのぎあって、局面はいったん落ち着きを取り戻しています。ここからは互いに構想力の問われる展開になりそうです。

Imgp0392鳩森神社の将棋堂。棋力向上絵馬が納められている。

Img_3549両者とも再開時刻の3分ほど前に相次いで入室。

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Img_3558対局再開から一呼吸置いて三浦九段が着手。

34再開の一手は△2五飛。△2九飛成を狙いながら2四銀にヒモをつける攻防手だ。

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図の局面で三浦九段が40分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲糸谷54分、△三浦1時間3分。昼食の注文は両者ともにありません。対局は13時に再開します。

図の▲8四飛は、▲8二飛成~▲9一竜と香を取る狙いが本線。△8三歩と受けてくれば▲2四飛△同角▲1一角成と二枚換えで勝負する狙いがあります。ただし、銀香と飛車の二枚換えはほぼ互角の取り引きのため、後手としてはあえて二枚換えの筋に持ち込む戦い方もあります。また、△7四歩も類型で多く見られる指し方で、▲8二飛成に△8八角成▲同銀△5五角で9一の香取りを防ぐ狙いです。
いずれにしても、激しい展開は必至。三浦九段の再開の一手が注目されます。

Img_3531休憩中の特別対局室。

Img_3533休憩中の盤面。

Img_3519糸谷六段の初手は▲7六歩。

Img_3524三浦九段は△3四歩と応じて横歩取り模様へ。

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2810時30分頃の局面。
戦型は横歩取りに進み、後手が8四飛・5二玉型から、早々に飛車をぶつける流行形に進んでいます。非常に激しくなりやすい形で、序盤から目が離せない展開になりそうです。