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2013年7月19日 (金)

114_2▲羽生善治三冠-△森内俊之名人戦は森内名人が勝ち、挑戦者決定三番勝負進出を決めました。終局時刻は22時2分。消費時間は▲羽生4時間38分、△森内4時間43分(持ち時間、各5時間)。

105先手は▲5三竜と後手玉に迫りましたが、△6一玉▲6三竜△6二香で手が続かず後手玉を寄せるには至りません。

ならば、▲5三竜△6一玉に▲5五竜と銀を取って「もう一勝負!」と行きたいところですが、「△3七角が痛いですね」(窪田義行六段)との声が。次の△5八桂成が厳しく、これは流石に勝負ありのようです。

控室で検討を行っていた棋士からも「一筋縄とはいかなかったが、どうやら終わりが見えてきたか」「後手勝勢と言っていいだろう」といった声が聞こえてきています。

森内名人が、このまま優勢の局面を勝ちきるのでしょうか。いよいよ、本局は最終盤を迎えようとしています。

Dsc_0516(本日、将棋会館の横にある鳩森神社ではお祭りが行われており、特別対局室にも盆踊りの音が聞こえてきている)

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【図】は20時半頃の局面。この△8八銀を▲同金と取ると、△同歩成が先手玉詰めろの状況。なので、そこで先手に何か決め手が必要なのだが検討しても思わしい手段が見つからない。

△8八銀を▲同金と取れないならば、▲6八玉と逃げてはどうだろうか。しかし、これには△8九銀不成▲8三歩に△2六角が攻防の好手になっている。5三の地点に利いているので、先手が単純に▲5三竜とはいけなくなり後手玉の安全度が相当に上がっているのだ。

さて、先手は困った状況。段々と「後手有利~優勢ではないか」といった声が棋士から聞こえ始めているが、羽生三冠はどのような手を読んでいるのだろうか。

Dsc_0514(本局を日浦市郎八段と検討する関六段。しかし、先手側に思わしい手段が中々見つからない)

94夕方頃から羽生三冠が後手玉に猛攻をかけていたが、森内名人はギリギリのところで何とか耐えることに成功。

そして、19時の対局再開と同時に森内名人は△8六桂と反撃に転じた。中継室を訪れた飯島栄治七段は「他の部屋で検討していた棋士は後手持ちだと話しているらしいですが、まだ難しいと思います」と見ている。

Dsc_0459(羽生三冠は夕食の出前注文でエビフライ定食を注文)

Dsc_0473(夕食休憩に入る1分前の投了だった)

Photo_7(勝利した永瀬六段)

Dsc_0483(簡単に口頭で感想が述べられたあと、感想戦が始まった)

Dsc_0486(感想戦が始まる前の雑談では、笑顔も)

Dsc_0487(横の▲羽生三冠-△森内名人戦が夕食休憩中なので、そのまま感想戦が始まった)

Photo_8(終局直後、金井五段は苦笑いを浮かべていた)

Dsc_0478(感想戦が始まると、険しい表情に)

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51永瀬六段有利と見られている終盤戦、金井五段は▲2七銀と歩を取って△4八金からの詰めろを解除。これで次の△4七とが詰めろになっていないので、▲2一飛(▲5四桂以下の詰めろ)と打って逆転を目指すような筋を狙っているようです。

どちらが早く相手の玉を寄せきるか。 日も落ちてきた中、緊迫したスピード勝負の終盤戦になっています。

Dsc_0451(将棋会館から見える風景も、暗くなってきた)

77▲金井五段-△永瀬六段戦が早くも終盤戦に入っている中、▲羽生三冠-△森内名人戦にも動きが出てきました。

この▲1三歩成は一見軽い攻めにも見えますが、△同歩と取ると▲1二銀△2四歩▲2一銀不成△2二金▲3二金△同金▲同銀成△同玉▲3三金△2一玉とほぼ一直線。【参考図】

Photo_5この局面は、先手に駒を渡すと後手玉はすぐ詰んでしまう形。後手は反撃に出るにしても受けるにしても「相手に駒を渡せない」という制約が多く、勝ちに行くのは大変なようです。

もしかすると、先手の攻めが既に繋がっているのかもしれません。

Dsc_0373(しかし、相手は鉄壁の守備に定評のある森内名人。有利かと思われる状況を、ハッキリと優勢にするのは簡単なことではない)