カテゴリ「第26期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2013年7月 5日 (金)

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▲谷川-△豊島戦、△3五金と飛車に当てながら重石を置く手が厳しいです。
(1)▲2八飛は△6九と~△7七歩成が△6七角成以下の詰めろ。(2)▲6六飛は△6九と~△7七歩成で△6七とを狙われます。
△3五金は好手との評判。じわりじわりと豊島七段が谷川九段を追い詰めています。

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(昼食休憩明けの豊島将之七段)

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迫り方が難しいと言われていた金井五段。20時30分頃、32分の考慮で3四に銀を打ちました。一見、自陣を守っただけのようですが、△3五銀▲同歩△3六桂を見せて攻めを急かしています。以下▲4三桂成△同銀▲1四竜△7三桂と進行。

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ぐぐっと力をこめて指された△7三桂。「8五角をずらさなければ勝機はない」と判断した手で、冷静ではないかと言われています。上図から▲9六角△4五歩と進んだのが下図。

20130705oikawakanai74_2後手からは△7六角や△4六歩~△3六角といったわかりやすい手ができました。後手の攻めの速度が上がっています。

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上図の△8七歩。これが棋士室の予想を上回る一手で、厳しいです。▲8七同金は△6七角引成があります。

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▲4六角に△8八歩成。▲同金はやはり△6七角引成です。と金が取れない先手の苦戦が伝えられています。

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図の△7六歩の銀取りへの対応が悩ましいです。

「次の一手名人戦だと難しい局面ですね」と井上九段。

「では赤の候補手は?」と尋ねると、井上九段と山崎七段は「▲6六銀」。次いで青の候補手は「▲8六銀」、黄色がその他の候補手です。

▲8六銀は局面が悪いと見た勝負手とのことです。

 
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正解は「赤の候補手」▲6六銀でした。

ここで△2八歩(▲同飛は△2七歩、▲同金はやはり△2七歩。以下▲同金なら△4四角が厳しい)が予想されています。

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(赤の候補手を予想した山崎七段は、団体戦の次のラウンドへ。井上九段や、明日対局の石田直裕四段が見守る)

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19時50分過ぎ、及川五段が▲1三竜と着手。以下△7八金▲8四歩!△6八金▲8五角と進みました。

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取れる銀を取らずに、▲8四歩~▲8五角がミソ。8五角を安定させて自陣への利きをキープする狙いで、ここを耐えれば▲1四竜や▲8三歩成が間に合ってきます。

△7八金~△6八金をノータイムで指した金井五段ですが、ここで時間を使い始めました。

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(20時10分の特別対局室。金井五段が身を乗り出して考えている)

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豊島七段が△5四角と打った局面。「先手は受けにくいですねぇ。2つの狙いがありますからねぇ」と井上慶太九段。△8七角成の殺到と、△4四桂(あるいは△6六桂)と角を取る手、2つの狙いがあります。同時には受かりそうもない形ですが、谷川九段はどうやってしのぐでしょうか。

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(対局開始時、駒を出す谷川浩司九段)

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(4組優勝の永瀬六段。本局の勝者と対戦する)

「先手がいいと思っていたのですが……」と永瀬六段。戸辺六段と議論になりましたが、その際に金井五段の時間の使い方がポイントになりました。

戸辺六段「△5二玉はノータイム、△6八金も2分でしょ。悪かったら、何かないかと考えてそのまま夕休入れるでしょう」
永瀬六段「なるほど。及川さんは再開されても指してませんし……そうか、先手が苦しいんですか」

▲3四角が候補手ですが、「△7八金と自然に駒得を拡大して後手良し」と見られています。

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(時刻は19時40分。及川五段は考え続けている)

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(19時過ぎの棋士室)

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山崎隆之七段「団体戦やる人?」 室田伊緒女流初段「はい!」 井上慶太九段「元気やなぁ」

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(奨励会員も加わり、4対4の団体戦が始まった。室田女流初段と香川愛生女流初段は今日夕方まで女流名人位リーグの対局をしていた)